■おわびと謝罪は別
先生方はクレームの電話がかかってくると「学校では~と考えています」とちゃんと説明しようとします。これがなぜ相手を逆上させてしまうかご存知でしょうか?
クレーム対応の基本は心情理解にあります。相手は気持ちを分かってもらいたいのです。説明がいかに丁寧であっても「話を聞いてくれない対応」と受け取られてしまうのです。
第一声は「それはお困りですね」「さぞ、不快だったでしょう。申し訳ございません」と相手の状況に共感を示す言葉をかけましょう。こんなことを言ったら不利になるとか、この時点で考えないほうがベターです。
おわびの言葉と謝罪は異なります。おわびとは相手の人間関係を作るための最初の行動なのです。
教師は「間違ってはいけない」という神話を背負わされた存在ですから、非を認める言葉が出にくいのですね。でも、トレーニングを重ねればすっと出てくるようになります。クレームを言う立場、受ける立場をロールプレイするのが効果的です。相手にどう対応されたら気分を害するのか体験することで、共感の言葉も出やすくなります。
■応対シートで事実把握を
クレームは組織対応が基本です。校長先生が1人でがんばるのではなく、分担式でいきましょう。20分×3人で対応するのが基本です。
そのとき、詳細な記録を残すのが大切です。私たちは「いつ・どこで・どんな電話があったか」を記録するA4 1枚の応対シートを提案しています。
実は電話をかけてくる人が、困っている生徒やその保護者ではなく、第三者であるケースも多いのです。「知り合いの○○さんのところのお子さんがひどくケガをしましてね。代わりに電話しました」と。
このとき慌てて聞いてしまうと事実確認をする際に混乱が生じます。対応シートは電話をかけてきた連絡者と困っている本人とを分けて書きましょう。誰が困っているのかを明確にするのです。また電話番号は自宅と携帯電話など二つ以上聞いておくのも鉄則です。
「顛末(てんまつ)」「終了確認」の欄も設けます。ここをあいまいにしたままだと子どもたちの生命や健康に影響を及ぼす可能性も考えられます。クレームを通して潜在課題が明らかになる場合もあるはずです。
☆クレームメモ用紙のダウンロードページは
コチラ■隠蔽体質をなくせ
校長先生の役割は
(1)記録に残すことを徹底させる
(2)あいまいな対応をさせない
(3)同じことを二度と起こさない
の3点になるでしょう。
「クレーム対応は恥」と隠蔽してしまうと、同じことを隣の先生が起こしてしまうのです。記録を残して共有するだけで、クレームは激減します。
是非、半年だけでも試してみてください。
☆次週もお楽しみに!