■前回のダイジェスト
◇セールス交渉に「勝ち」「負け」はない。
~セールスパーソンの交渉における大前提は、お客様に嫌われてしまっては負けであるということ。
◇セールスパーソンの交渉は「にこやか」に
~「セールス交渉のプロ」というのは基本的に穏やかに笑う。激しい議論は、交渉にマイナス。
◇上手なセールス交渉とは?
~一般的に口下手な人は、「話がうまければ売れる」と思ってるいるが、口下手なトップセールスが非常に多いのも厳然たる事実。
◇セールスで大切なのは「考える」こと
~話すのが得意なのが自慢な人、ディベート大会で一番になった人が実社会ではセールス交渉が下手だったりする。セールス交渉で一番必要なのは「考える」こと。
◇商談のシミュレーションを「がっつり」やる
~シミュレーションを徹底的に実施していけば、商談は上手になる。
◇商談の3類型
商談には3つの類型があります。「功利的説得」、「規律的説得」、「情緒的説得」です。まず、「功利的説得」というのは「こうしたら儲かります」といった相手の損得に対して働きかけるものです。「規律的説得」は、相手の規範意識に対して働きかけるものです。例えば「これは世の中の決まりです」といったものです。最後に「情緒的説得」というのは 、相手の感情に訴えかけるものです。実際のセールスの場面ではこの3つを浅く、深く、織り交ぜながら商談を進めています。
商談が不得意な方で特徴的なのは、この3つの類型を使いこなしていない方が実に多いことです。「お願いします(情緒的説得)」だけだったり、一方的で浅い「お得訴求(功利的説得)」だったりして、セールス交渉が上手に進まないのです。
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■まずは、「損得」で説得する
功利的説得というのは、「この装置を買えば、燃料費が10%削減されます」の様に「こうすれば儲かりますよ」って事を示すことで、セールス交渉の王道です。この説得方法は具体的にかつ多面的に行うのがポイントです。
(1)可能な限り、金額換算効果が説明できること
(2)メリットが実感できる説明であること
(3)1つだけでなく、多様なメリットがあること
という様な点に注意が必要です。
ただし実際には「儲かります」だけではなかなかセールスはできません。ですから、相手の規律意識に働きかけたり、情緒に働きかけたりしながら、セールスをします。
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■それに加えて「正しいこと」をすすめる
加えて、たとえば「地球環境を守れ」みたいな理由はよく分からないけれど、なんとなく正しいようなことをあわせて伝えます。「世の中で多分正しいだろうこと」を押し付けている訳ですから、場合によっては反発を受けることもありますが、そういったことを織り交ぜるだけで、さらにセールス成果があがります。
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■それでもだめなら「泣き落とし」も有効です
それでも、動かなければ、情緒的説得の出番です。「私の進退がかかっているのでお願いします」とか、「会社に帰れません」の様なもので、相手の感情を突くものです。ただし、こればっかりやっていると、人格を疑われかねないし、だんだん効果もなくなりますので、毎回毎回使えるものではありません。しかし、ピンチの時には、情緒的説得を織り交ぜる勇気も必要です。
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■同時に歩み寄りを考えながら交渉する
お客様が商品・サービスに納得しても、「買いたい」と心から思わなければ、売れません。「セールスされて、買って良かった」と思ってもらう事が大切です。
口は達者だし、頭はいいのに売れないセールスパーソンが時にいます。大変残念ですが、大抵の場合、我を通しすぎるのが原因です。そういう人は自分のプライドや立場を守ることにこだわりがちなんですが、これがセールスの邪魔をします。
そんな方は、相手に喜んでもらうには どうすればいいかを考えるのが得策です。「正しい、間違い」で考えず、相手が嬉しいかどうか?がポイントです。相手が「嬉しい状況」を考えろて交渉すればいいのです。あくまで、「相手の論理」で、多様な説得技法を駆使するのがセールスです。
■「あなたから買おう!」セールスは「人柄次第」です。
最後にやっぱり、セールス交渉で一番の武器になるのは、「人柄」です。「自分はいい人ですよ」、「世の中の誰に対しても誠実ですよ」っていう顔をしているセールスパーソンは信頼されます。ですから、しっかりとした格好で、にこやかに笑っているだけでも売れる人は売れるのです。しゃべらなくてもいいのです。
■「人柄」は身だしなみに出る!
人柄を良く見せようとすると、外見、身だしなみも重要です。最近は、セールスパーソンもおしゃれになって、かなりカジュアルな格好で「商談中」という場面に遭遇する事もあります。突飛な格好は相手に強い印象を与える事ができる反面、相手は普通、警戒しますから、その時点で大きな勝ちは取れなくてしまう可能性が上がります。
マナーや服装はたいした事ではありませんが、セールス相手に人柄を印象付ける効果があります。具体的には、みなさんの会社の営業本部長さんや社長さんに質問してください。きっと「望ましい身だしなみ」を教えてくれます。
■具体的なトレーニング方法
実際に上手になるためには、具体的な事例に基づいて考えると効果的です。まったくの架空の話ではなく、現実に限りなく近いケースを想定します。加えて、一筋縄ではいかない難問をじっくり考える訓練がスキルアップのコツです。実際にじっくり考えれば、セールスシナリオが作れます。
この準備をして戦えば、口下手な人でも、自分は頭が回らないと思ってる人でも、すごく鮮やかにセールス交渉が出来ます。「セールスがが出来ない」と言う人は、過去にそれを上手にやったことがないのでできない場合が多いものです。
交渉が苦手という方は、それまで考えて交渉をやったことがないだけで、本当に交渉が苦手というわけではありません。それが実感できればトレーニングは成功です。
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~テレアポ・セールストークから営業管理まで"計34タイトル"~
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