管理職やリーダーになられる方は、プレイヤーとしても優秀な方が多いですが、自分ができる分、マネージャーになると、他への期待も大きく、ご苦労なさっているようです。
マネージャーの難しさは、自分が頑張るだけではなく、他の人も巻き込んで、"チーム"として結果を出さなければいけない所にあります。
まず、マネージャー・リーダーに求められるのは、以下の3つの役割です。
A:業務遂行・管理における役割
~安全・確実・スケジュール感のある業務プロセスを遂行する
⇒「業績の管理」「ルールの策定」「目標管理」「セキュリティ管理」
「リスク管理」「品質管理」「スケジュール管理」「価格管理」など
B:教育・指導者としての役割
~部下・スタッフの能力を高め、
長期的に組織のパフォーマンスを向上させる
⇒「指導・教育」「チャンスを与える」「ほめる」「叱る」
C:プレイヤーとしての役割
~営業・内務事務などで自らプレイヤーとして動く
この3つの役割はいずれも重要ですが、今回は特に、Bの部下指導に注目してみたいと思います。
■「部下指導」のポイント(1)
~部下の現状把握(職場コミュニケーション力とスキル把握)
部下指導をする際には、部下や後輩一人一人が、具体的に何ができ、何ができないかをできるだけ先に把握しておく必要があります。
部下能力を把握するためには、
(1)仕事を細分化して、業務工程を洗い出す
(2)工程ごとの業務の成果を「○」「△」「×」で評価する
という2つの作業が必要です。
そうすると、成果の低い部下にも評価できる点(○の評価の部分)があることや、成果の高い部下にも改善すべき点(△・×の評価の部分)があることがわかります。
このプロセス評価を踏まえると、個々の具体的な課題点を把握し、きめ細かい指導を行うことが可能となります。
■「部下指導」のポイント(2)~教え方・指示の出し方
続いて、教え方、指示の出し方ですが、実際に部下に作業を依頼する際には、何のために、この作業を行うのか?」を理解させて教えることが基本原則です。
ア.仕事の意味を教える
新人は仕事の意味を理解することにより、不安なく、前向きに
行動できます。加えて、職場においても、大きく間違った行動を取り
周囲に迷惑がかかることは少なくなります。
イ.仕事全体の流れを大まかに教える
すぐ細部を教えるのではなく、高い視点から全体を教えます。
その際、全体像の分かる資料やマニュアルなど、部下・後輩が
目で見て分かる資料を使って教えると効果的です。
また、指導内容のメモを取らせることも重要です。
ウ.具体的な行動を指示する
実際の仕事のやり方を具体的に、詳しく教えます。
その際には、「だれが」「何を」「何のために」「どんな方法で」
「いつまでに」行うかを明確にして指示する必要があります。
エ.期待水準を伝える~作業時間、達成度、品質 等
想定作業時間、達成度、品質の期待水準を伝えます。
具体的には、「30分で、7割くらいまでやって欲しい」
「お客さまに渡すので、小さな汚れもないことを確認して欲しい」
などです。
近年の若年層の傾向として、「恥をかきたくない」とか、「言われたとおりのことを最低限しかやらない」という傾向があり、その結果、期待水準を伝えておかないと、「凝り過ぎてやたら時間をかける」とか、「すぐ出来るが完成度が低すぎて使い物にならない」などの問題を生みかねません。
以上、「部下指導」のポイントをお話ししました。
来週は、「ほめ方・しかり方」についてお話しいたします。
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