■前回の内容要旨
・目標の立て方
~・大きな目標ではなく、すぐにできる「小さな」目標を立てる
・すぐにやらなければならない「優先順位が高いもの」を目標とする
・やることを増やすのではなく、「やらないことを決める」
・目標を洗い出す基準
~・経営方針・部の方針にそったもの
・顧客向けサービスの観点から改善を要するもの
・改善すると効果の上がるもの
・緊急性が高いもの など
・目標の優先順位を決める基準
~・目に見えて社内、顧客の評価を上げるもの
・短期間で評価できるもの(長期目標の場合でも段階を分けて短期間にする)
・数値目標にしやすいもの
・業務遂行に密接なもの など
■本文
2.「ゴール」の設定の方法~目標を決める際の留意点
(1)簡単で明瞭な目標
漠然とした目標では、業績達成に向けた部下の意識統一ができません。
"何を(目標項目)、いつまでに(期間、時点)、どの水準にする(目標値)"のかを明瞭に決めることが必要です。(それを決めるのがリーダーの仕事です)
(2)レベルにあった目標
目標は高く設定することが必要ですが、部署メンバーのレベルを無視した、非現実的な目標では達成は容易ではありません。また、逆にあまり低い目標では張り合いがなく、達成時の喜びも少ないものとなります。
メンバーが全員で少し頑張れば達成できそうなレベルに目標を設定することが必要です。
(3)具体的で計測可能な目標
誰が見ても同じ理解を得るような、分かり易い目標とするには、数字を用いるのが効果的です。また、数字なら効果測定も容易です。数値化を工夫することがリーダーの仕事です。
※数値化の事例
・「管理業務」は「時間当たりの人件費」から産出できます。
・「サービスレベル」は「クレーム数」が使えます。
・営業は、当然「売上高」で計測可能です。
3.実現できる計画づくり
(1)簡単な計画づくり
目標の実現には、計画作りが重要です。ただし、計画倒れにならないためには、まずは、短期間で実現できる目標を立て、少しづつ実現していくことです。
まず、1ヶ月を「1ステップ」にし、1ヶ月に1度、「チェック」することから始めてみましょう。月1回の振り返りを基本にした計画作りからスタートするのが無理ない計画づくりです。(当然、業務に応じて、多様な計画作りがあります)
(2)目標実現を「楽しいこと」にする
「目標管理」は、個人の自主性を重んじるものですが、管理監督者の方にとっては、ご自分の部下が自分で立てた目標を達成するために、動機付けを行う必要があります。
自分の立てた目標を常に気にかけてくれ、定期的に評価してくれる上司がいる職場では、部下の方も「目標の立て甲斐」「達成のための努力のし甲斐」があるというものです。
可能な限り、計画実践が「楽しいこと」となるような工夫が求められます。
(例)楽しい工夫の例
・お客さまからほめられたら、「表彰」する
・一日の目標を達成したら、「全員で拍手」をする
・改善はゲーム感覚で(何かできたら「小さな賞品」が与えられる)
大人はあんまり「ほめられること」がありません。このように、ちょっとしたことですが、いい気分で目標を実現できる工夫が求められます。