■プラスαの普及~プラスXの読み間違いから始まった!
あるものに何かをつけ加えることをプラスアルファといいます。ところで、プラスアルファという言葉は、そもそも、外国語ではないことをご存知でしょうか? プラスエックスにおいて未知数を示すXをギリシア語のα(アルファ)に読み間違えたものが、どういうわけか、日本で通用するようになったようです。
Xをαと読み間違えしたケースは、これだけでなく、他にもあります。
野球の試合で、スコアボードの9回裏がX表示されるケースも、昔は、アルファ勝ちと呼んでいました。どうもXがαに見えたというのが真相だそうです。
あるいは、高校で習った電離度の式も、本来はXであったところ、αと読み間違えて日本では普及したそうです。外国ではαではなくXです。
K =α2/(1-α)×C (酢酸の初濃度C,電離度α)
なぜ、このようなことが起きたのでしょうか?
手書きで走り書きすると、Xがαに見えやすいからです。実際に、Xを走り書きして見ますと、筆順によって(右上から左下に書き、そのまま左上から右下におろす)は、αにすこぶる似てきます。現代はワープロ時代ですので、想像だにできないかもしれません。
もっとも、読み間違えたものが、そのまま、世の中で通用してしまえば、ある面では間違いではなく普及したことになります。
そういえば、音信も正しくは"いんしん"だったものが、"おんしん"と皆が言うようになったことから、"おんしん"という読み方が当たり前になりました。ご存知でしたでしょうか?
■simulationの嫌な思い出~"趣味レーション"で大恥!
simulationをカタカナでシュミレーションと書いていませんか? 本来は、シミュレーションです。何を隠そう、私が、銀行員時代で失敗した誤用語3事件のうちの1つが、シミュレーションです。
今、私が使っているMicrosoft Wordの校正機能において、シュミレーションは"誤用語でシミュレーション"と指摘されます。
ところで、私がしでかしたのは、「住宅ローン返済シュミレーション」です。パンフレットに誤用のまま使ってしまったというわけです。いうまでもなく、お灸を据えられました。
ただし、ネットで探しましたら、「住宅ローンシュミレーション」を堂々と掲げているサイトがあります。いずれ、「シュミレーション」が普及するかもしれません。もしかしましたら、"sumiration"という英語の綴りでも通用するかもしれません。LとRの違いは無視し、趣味レーションということです。目くじらをたてるほどではないという声が若い人から聞こえてきそうです。
応用問題として、コミュニケーションかコミニュケーションか、どちらでしょうか? これは大多数の方は正解になると思います。
■ワープロにおける漢字とカタカナの区別~「夕力シヨウノ力夕二夕力」
私の下の名前は浩之です。漢字で説明するとき、「『ひろ』はさんずいに告白の告です。『ゆき』は、ひらがなの『え』に似た漢字です。」ワープロですと、漢字の「之」とひらがなの「え」はわかりやすいと思います。
では、漢字とカタカナの区別について、ワープロ上はいかがでしょうか?
例えば、「力」と「カ」の区別はつきますでしょうか? あるいは、「二」と「ニ」の区別はいかがでしょうか? 「夕」と「タ」の区別はいかがでしょうか?
例えば、パスワードで、「タカシヨウノカタニタカ」(鷹匠の肩に鷹)のつもりで、一字タが夕とか、ニが二となっていたならば、読み取れなくなります(小見出しの「」は作為的な間違いです)。こんなのはあまりにも極端ですね。
以上、ビジネス文書研修(※)では、時間がなくて触れられない問題です。いわば、ビジネス文書研修のプラスアルファのお話です。いや、インソースの講師の面々も、おそらく、各自の経験から、さらに面白いお話をしているに違いありません。是非、百聞は一見にしかず、インソースの研修を味わっていただきましたら幸いです。
(※)ビジネス文書研修をお薦めします。
https://www.insource.co.jp/bunsho/bunsho_top.html