成長企業に限られたことではありませんが「管理職の役割」には前提があります。それは、「管理職の職務には"責任"が伴うものである」という自覚です。
管理職の職務は単に仕事経験の蓄積や社歴の経年とは関係ありません。あくまで会社組織の経営課題に則した視点で、部下をマネジメントするという職務実践ができているか否かが問われます。
管理職の“責任”とは一言でいうならば、「与えられた経営資源を最大限に活用し、部門目標(予算)を達成(利益の確保)する」ということです。
ところで、「予算達成は営業部門の管理職に求められること」と理解するのは大きな誤りです。会社組織での「利益」とは、組織継続の条件にほかなりません。従って、直接的なプロフィット部門ではないと思われがちな間接部門(バックオフィス)の管理職であっても、常に「自部門が果たすべき事柄に責任をもつことが、利益貢献につながる」という視点が不可欠です。
“責任”という 基本姿勢を曖昧にしては「役割」を果たすことはできません。
管理職の役割を考える場合に、管理職としての「意識」の明確化も重要になってきます。成長する企業は常に「変化」への俊敏な対応が求められます。もちろん、組織を構成する一人ひとりにも「変化対応」が求められます。
管理職は部門や部署の先頭に立って「旗振り」をするわけですから、日々の職務を「昨日、今日、明日も同じことを繰り返す」ことに終始することで安定と安心感を覚えていては、役割をなしとげることはできません。
管理職が「前例主義」で仕事をしていたならば、それは「居心地の良さ」に安住してしまうことに直結します。「これまでのやり方が通用したし、さして不都合はなかった」と思った途端に、組織も個人も成長が止まってしまいます。現状に留まるということは後退しているのと同じことになってしまいます。
1.会社方針を正しく理解し、それに沿った部門の運営を行う
2.自らの"責任"の範疇における積極的な提案を行う
3.自らの努力はもちろんのこと、自らの部門や部署に求められる結果に執着する
4.会社組織で発生している問題や課題は、「すべて自らに関わりがある」という当事者として立ち振る舞。
5.一般社員の言動に同調することなく、会社組織(経営サイド)に立った発言や行動を行う
管理職の役割は、“マネジメント”に他なりません。マネジメントとは、さまざまに定義されていますが、「計画し、組織し、指揮(命令)し、調整し、統制するプロセス」ということです。つまり、自らが所管する部門・部署で、しっかりとPDCAサイクルを回すことに尽きるといっても過言ではありません。
同時にマネジメントとは、会社組織に限らず“組織や団体、人が存続・発展するための全ての活動”を司り、組織に「結果を出させる」ことです。
管理職の役割が不明確でマネジメントが機能していない組織は、烏合の衆と同じです。何故なら、「組織を発展させる」という目的遂行が不明確になり、せっかく計画を立案しても組織を構成するメンバーがバラバラな展開を繰り返すことになるからです。これでは、例え本人の意図はどうであれ、組織的な成果を生み出すことはできません。
1.所管する部門・部署での自らも含めた「仕事の管理」
2.業務遂行上での日々の「仕事の改善」
3.業務展開上での安全・衛生も含めた「人の管理」
4.常に後継を意識した「人の育成」
5.会社方針を噛み砕いて部門・部署に「翻訳」して伝える「経営陣の補佐」
6.経営視点に立って、自部門・部署を横断する「部門間の調整」
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◆本間 次郎◆
株式会社ノイエ・ファーネ 代表取締役
1954年生まれ。大学在学中より出版・編集業務に携わり、主に労働経済関係をフィールドとし取材・執筆、編集業務に携わる。1992年から中小企業経営 者向け経営専門誌の編集および、教育・研修ツール(冊子媒体、ビデオテープ)等の作成、人材の教育・育成に関する各種オープンセミナー・インハウスセミ ナー企画の立案・実施、人材開発事業・人事コンサルティング業務に従事。
2010年11月に『人と企業組織が互いに「広い視野」「柔軟な思考」「健全な判断」に基づいて行動し、最適な働きの場を創り出していく協働に貢献する』を使命とする株式会社ノイエ・ファーネを設立。