2019年4月26日
帝国データバンクの「2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査」によると、2019年度の業績見通しは、「増収増益」と回答した企業が24.8%となり、前回調査の2018年度見通しから4.5ポイント減少したことが明らかとなった。「減収減益」は5.1ポイント増加した。
2019年度(2019年4月決算~2020年3月決算)の業績見通し(売上高および経常利益)は、「増収増益」と回答した企業が24.8%、「前年度並み」が22.5%、「減収減益」が21.8%、「増収減益」が6.6%、「減収増益」が5.3%となった。
前回調査(2018年3月)と比べると、「増収増益」の減少幅より「減収減益」の増加幅の方が大きくなっているほか、前回調査より「増収」(前年比5.5ポイント減)(「増収」は、「増収増益」「増収減益」「増収だが利益は前年度並み」の合計)と「増益」(同4.2ポイント減)(「増益」は、「増収増益」「減収増益」「増益だが売り上げは前年度並み」の合計)を見込む企業が減少している。
2018年度実績見込みも「増収増益」が29.9%、「減収減益」が22.5%となり、前回調査の2017年度実績見込みより悪化した。
2019年度の業績見通しを従業員数別にみると、1000人超の企業では39.2%(前年46.6%) が「増収増益」を見込んでいる一方、5人以下の企業では22.7%(同24.8%)となった。
2019年度の業績見通しを上振れさせる材料を聞くと、「個人消費の回復」が27.0%で最高となった。8年連続で上振れ材料のトップとなったものの、前回調査より6.0ポイント減少した。
次いで、「消費税率10%への引き上げを控えた駆け込み需要」(20.5%)、「公共事業の増加」(20.4%)などが続いている。
【2019年業績見通しの上振れ材料 トップ5】
1位 個人消費の回復 27.0%
2位 消費税率10%への引き上げを控えた駆け込み需要 20.5%
3位 公共事業の増加 20.4%
4位 東京五輪需要の拡大 17.9%
5位 人手不足の緩和 16.4%
一方、2019年度の業績見通しを下振れさせる材料は、「人手不足の深刻化」が39.0%で最高となった。前回調査とほぼ同水準の結果となり、引き続き労働力の確保・維持に強い危機感を持っている様子がうかがえる。
次いで、「中国経済の悪化」(32.2%)、「個人消費の一段の低迷」(31.5%)などが続いた。
また、「中国経済の悪化」(14.9ポイント増)、「欧州経済の悪化」(5.3ポイント増)、「米国経済の悪化」(5.0ポイント増)となるなど、前回調査より5ポイント以上増加した下振れ材料はすべて海外経済に関連していた。
【2019年業績見通しの下振れ材料 トップ5】
1位 人手不足の深刻化 39.0%
2位 中国経済の悪化 32.2%
3位 個人消費の一段の低迷 31.5%
4位 消費税率引き上げによる消費低迷 30.3%
5位 米国経済の悪化 21.2%
調査は、2019年3月15日~31日、全国の2万3181社を対象に実施し、9712社の有効回答を得た。
配信元:日本人材ニュース
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