2020年10月02日
2020年3月期決算の上場企業1803社の平均年間給与は630万5000円となったことが、東京商工リサーチの調査で分かった。前年より1万5000円増(0.2%増)となり、2012年3月期以降9年連続の増加となっているが、伸び率は鈍化した。
金額別にみると、平均給与1000万円以上は33社(構成比1.8%)で、前年同期より6社増え、過去最多を更新した。このほか、500万円以上600万円未満は530社(同29.3%)、600万円以上700万円未満も518社(同28.7%)と拮抗し、500万円未満は286社(同15.8%)だった。
業種別では、「建設業」が756万1000円(前年同期748万6000円)で最も高かった。2017年3月期(728万円)から4年連続でトップを守り、2016年3月期以降、700万円台を維持している。東京商工リサーチでは「建設業は人材確保のための賃金アップも寄与した」とみている。
一方、最低は「小売業」の494万7000円(同483万5000円)で、唯一、400万円台にとどまったが、9年連続で平均給与が前年同期を上回っている。
トップの建設業と最低の小売業の差は261万4000円(同265万1000円)で、前年同期より3万7000円縮小したが、依然として1.5倍の差が生じている。
個別企業の平均年間給与トップは、売掛債権保証のイー・ギャランティで2413万1000円。前年同期の485万1000円の約5倍(4.9倍)に増加し前年同期1561位から急伸、唯一、2000万円台に乗せた。
2位は、日本商業開発1921万円(前年同期1501万1000円)、3位は三菱商事1631万8000円(同1607万7000円)だった。
上位10位には総合商社が5社、不動産3社が名を連ねている。
増加率トップは、イー・ギャランティで前年同期比397.4%増となった。好業績を反映し、給与のほか、株式報酬(株式付与ESOP信託制度による給与)が大幅に増加し、平均給与を押し上げた。
【企業別 平均年間給与 上位10社】
1位 イー・ギャランティ(東京・その他金融業) 2413万1000円
2位 日本商業開発(大阪・不動産業) 1921万円
3位 三菱商事(東京・卸売業) 1631万8000円
4位 伊藤忠商事(東京・卸売業) 1565万7000円
5位 丸紅(東京・卸売業) 1452万7000円
6位 住友商事(東京・卸売業) 1437万円
7位 三井物産(東京・卸売業) 1393万4000円
8位 日本M&Aセンター(東京・サービス業) 1353万3000円
9位 三菱地所(東京・不動産業) 1273万5000円
10位 三井不動産(東京・不動産業) 1273万4000円
調査は2020年3月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に、有価証券報告書の平均年間給与を抽出、分析した。2011年3月期決算から連続で比較可能な企業を対象(変則決算企業は除く)に、持株会社は除いた。
配信元:日本人材ニュース
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