2025年1月17日
三菱電機<6503>の企業買収が活発化してきた。2024年に同社が適時開示した企業買収案件は2件で、これ以前の企業買収は2015年のイタリアの業務用空調設備メーカーのデルクリマまで遡る。適時開示しなかったもののリリースを発表した案件も2024年は2件ある。
2024年5月に公表した経営戦略によると、重点成長事業として「FA(ファクトリー・オートメーション)制御システム」「空調冷熱」「ビルシステム」「パワーデバイス」の4分野を上げており、今年の4件はいずれもこの分野の企業だ。
合わせて同社は経営戦略の中で、M&AなどによるDX(デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み)人材の増員や、スタートアップのM&A推進の方針を打ち出しており、今後は重点成長4事業に加え、こうした目的のM&Aも増えそうだ。
三菱電機は2024年11月に、スウェーデンの子会社モートムを介して、ノルウェーの昇降機の保守、リニューアル事業を手がけるアルトハイスを子会社化した。
重点成長事業の一つであるビルシステム事業の強化が目的で、アルトハイスを傘下に収めることでノルウェーでの保守事業を拡大する。
また2024年4月にはイタリアの子会社である三菱電機ハイドロニクス&アイティークーリングシステムズと、オランダの子会社である三菱電機ヨーロッパを介して、フランスの水空調事業会社のAIRCALOを子会社化した。
拡大が見込まれる欧州での水空調事業を強化するのが狙いで、重点成長事業と位置付ける空調冷熱事業の強化につながると判断した。これら案件はいずれも適時開示していない。
適時開示した2件の案件は、いずれもFA制御システム事業の関連で、2024年8月に子会社化を発表したヴィスコ・テクノロジーズは、生産ライン向け画像処理検査装置を手がけており、同年1月に子会社化を発表した北弘電社は屋内配線工事、電力関連工事のほかに、FA機器やビル設備関連機器の販売などを行っている。
北弘電社は経営が悪化していたため支援策としての色彩が強いが、子会社化によって関係が密になるためFA事業の強化につながる。
さらに、三菱電機では2024年3月期に6500人だったDX人材を2031年3月期に2万人に増やす計画で、組み込みソフトウエア開発や大規模システム開発に携わってきたIT技術者のリスキリング(新しいスキルを身につけること)の推進や、採用の強化に加え、M&Aによる拡充にも取り組むとしている。
また、新事業創出を目的に国内外のスタートアップとの協業を進めており、事業拡大や新事業参入などにつながるM&Aは積極的に実行するとの方針を打ち出している。
重点成長4事業でM&Aにブレーキがかかる要因は今のところなく、ここに人材確保やスタートアップとの協業のためのM&Aが加わることになり、当面、三菱電機の企業買収は活発な状況が続くとみてよさそうだ。
配信元:M&A Online
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