演習を円滑に進めるためには、講師が受講者を上手く
リードすることが大切です。
■何分間で行うかを明確に伝える
演習を行う際は、何分間で行うかを明確に伝えることが大切です。
そうすると受講者が自分から時間配分を考えて進めてくれるので、
効率よく進みます。「何時何分までの何分間」と伝えると良いでしょう。
さらに口頭だけでなく、ホワイトボードに書くことも有効です。
突然終わりにせず、タイマーのアラームで事前告知し、
「あと3分で終了です」などとお伝えする方法もあります。
■演習の仕方~個人検討・グループ討議の場合
研修冒頭にあらかじめ決めておくことがあります。個人検討する際は
発言順を、グループワークが何度かある場合は司会の順番を決めて
おくと、受講者が混乱せず、スムーズな演習を行うことができます。
また、グループワークを始める前に、「まず○分間、1人で考えましょう」
と時間を区切り、一人で考える時間を取ります。
その後、「次に○分間、それぞれ考えたことを隣同士やグループ内で
話し合いましょう」と隣同士、あるいはグループ内で意見を交換させます。
意見の集約などはホワイトボードに線を引き、グループ毎の代表者に
書いてもらってから発表する方法も効果的です。ただし、書く時間が
余分に必要になることが多いので進行上、余裕がないときは
不向きです。
発表の後はクラス全体で拍手をしてもらい、フィードバックします。
その際、良い点は必ずほめます。
■演習の仕方~ロールプレイングの場合
ロールプレイングの場合は、前提や役割分担を説明し、
受講者がそれぞれ自分の役割を理解したのを確認します。
その際、「○○役の人、手を挙げてください」など、アクションを伴うほうが効果的です。
交代する場合は「10分間の中で交互に行いましょう」という形は
避けましょう。10分間の中で交互に実施というと、最初の人が
8分使ってしまうこともあるからです。一旦、中締めをして
「選手交代」宣言をします。
グループ討議の時と同様、発表の後はクラス全体で拍手をしてもらい、
フィードバックします。
■演習が正しく行われているかを評価する
ロールプレイングなどが正しく行われているかを評価するためには、
「チェックシート」を活用すると効果的です。チェックシートを使う場合、
「講師役」「生徒役」「評価者役」を入れた3人1組で行うとシートが
有効に使えます。
「チェック欄基準」はA~Cの3段階でチェックします。
A:確実に行っている/行った
B:概ね行っている/行った
C:あまり行っていない/自信がない
◇チェック項目(例:講師チェックポイント)
〈事前準備)
・研修の主旨・狙いは明確になっている
・研修によって、何を、どのくらい改善させるかを検討している
・研修当日のタイムスケジュールをしっかり練っている
・研修内容にモレや重複がないことを確認した
・余談等まで含め、綿密に予習を行った
(当日)
・笑顔で研修ができる
・受講者全員に目を配り、目を合わせて話している
・声の大きさ、トーン、スピードに変化を付けて話している
・分かりやすい言葉で、納得感ある説明ができる
・受講者の理解度のサインを見つける努力をしている
・受講者に対して適切にフィードバックができる
・受講者の内容理解度について、都度質問によって確認している
それぞれのチェック項目をA~Cの3段階でチェックします。
本番を迎えるまでにCの評価はなくしましょう。
☆次回もお楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方