講師を経験した人であれば、多かれ少なかれ受講者に発言を促す工夫をしていらっしゃることと思います。受講者から引き出した貴重な発言は、「傾聴」と「質問」の仕方により、さらなる効果を発揮してくれます。今日はそんなお話です。
■「傾聴」と「質問」の効果
受講者の発言を促すことによって、研修を一方通行の講義ではなく、双方向のものにすることができます。多くの人は発言に抵抗を感じるものです。「発言しやすい」雰囲気を醸成することで、よりたくさんの発言が期待できるようになります。
また、受講者を集中させるという狙いもあります。「何か訊かれるかもしれない・・・」という緊張感は大きな刺激です。また、効果的な質問によって、受講者のより深い気付きや、理解を促すことができます。
講師側から言うと、受講者の発言をよく聞き、質問をすることによって、受講者の理解レベルが確認できるというメリットもあります。それにより、臨機応変に講義を変え、効果をより高めることが可能になります。
もしも、理解度が低いようであれば、説明を繰り返したり、言い方を変えて説明したりと、より丁寧に講義をすすめます。具体的にどの部分がわかりずらいのかを質問してみるのも効果的です。
■傾聴のポイント
まずは「あいづち」です。レスポンスをすることで、受講者に「話を聞いてくれる」という満足感が生まれます。その上で「共感を示す」と、自分に関心を持ってくれていることを確認できます。
受講者が発言している最中、疑問等が湧き上がっても、最後までしっかりと聞きます。受講者の話が終わらないうちに講師が話し始めたり、質問をしたりすることは、「話を聞いてくれない」という不満感、ひいては研修効果低下の原因となります。
そして、受講者の発言を反復したり、言い換えたりすることで、勘違いがないかを確認することができます。また、他の受講者の理解を促進します。
■質問のポイント
受講者への質問は思いつきでするのでなく、事前に用意しておくことがポイントです。その際、回答が難しかったり、予想できなかったりという質問はしないことに心がけましょう。
質問したら、ほめる、フィードバックするなど、必ず何らかの「反応」することが大切です。前向きな受講者、楽しそうな受講者に質問をすると、場が盛り上がります。ただし、特定の受講者だけに過度に集中させないように注意しましょう。
☆来週につづく