■ばらつき注意!「標準偏差」
KPIを分析する際に気をつけなければならないのは「平均点」ではなく「標準偏差」です。
標準偏差とは点数分布のばらつきを数値化したものです。標準偏差の値が大きくなるほど、ばらつきも大きいことを表します。
【標準偏差項目の例】
通話時間、処理時間、保留時間、1コールの応対品質
■なぜ標準偏差が重要か
たとえばコールセンターの業務において、50点未満が問題のある応対と仮定して、0点と100点の応対者が2人いるAセンターと、2人の応対者とも50点のBセンターは、どちらもセンター全体の平均点は50点となります。
しかし、Aセンターでは、2人に1人はトラブルになるのに対し、Bセンターではトラブルが発生しません。
つまり、サービスは「平均点」で判断するのではなく、「偏差」で見た方が実態をつかむことができます。
■標準偏差が大きい場合~層別に分けて考える
層別は非常に重要な考え方の一つです。
集まったデータを眺める場合、データの特徴(データの履歴といい、例えばいつどこで誰が・・・等)から同じような共通点をもつグループ(各グループを層といいます)に分けてみましょう。
そうすると、偏差が大きくなっている理由が見え、対策も考えやすくなります。
【層別項目の例】
時間別 -時間・日・午前・午後、始業直後・終業直前、曜日、週、旬、月
作業者別-男・女、経験年数、年令、係
顧客別 -男・女、年令、在住地域、商品分野
■層別のポイント
いろいろな層別ができるように、データの性格や履歴を明らかにしておきましょう。
一般に層別することによって、全体として検討するより詳しい情報が得られますが、下手な層別をしたため、かえって誤った情報がもたらされることもあります。
データが重複したり、漏れたりすることのないような層別をすることが大切です。
(1)上位・中位・下位ともに点数が低い(=偏差が小さい)
→全員を対象とした施策が必要
(2)下位の平均点が他の位より大きく下回っている(=偏差が大きい)
→下位のみを対象とした施策が必要