(5)事実を確認するときのポイント
事実を確認することは、クレームを言ってきたお客さまに冷静になっていただく時間をつくることでもあります。クレームを言うときはかなりカチンときている場合が多いので、冷静にものを見られなくなっています。そこをほぐしてあげることが大切です。
ただし、1回だけ起きた問題に対してクレームが来ることは少ないのです。1回や2回では許しても、それがたびたび起こるようになると、お客さんは、ちょっとしたことで激怒するようになってしまいます。
些細なことのように見えても、実はその事実を確認すると、かなり根深いというケースがよくありますので気をつけてください。
(6)お客さまの話を聴く環境
対人対応の場合に気をつける点として、クレームを聴く状態があります。すなわち聴く姿勢、場所などです。立ちながらとか、暗い部屋の隅など、お客さまに不快な状況では、さらにクレームが重なってしまいます。
対応する際には、お客さまにくつろいでいただいて、「あなたはお客さまです」と感じてもらえるような環境下ですべきです。
例えばこういう例がありました。「クレームが多いから助けてほしい」という研修の依頼があり、そのお客さまを訪問したところ、上座・下座が逆でした。つまり訪問客が下座に座らされ、しかも応対の態度も仏頂面だったのです。
組織としてのクレーム対応を考える場合、作法を守り、お客さまを気持ちよく案内・対応できる環境づくりが組織のカルチャーとして徹底されていれば、クレームは起きないでしょう。
(7)クレームを受けやすい「幼さ」
クレームを受けやすい人を見ていると、同年代の人たちに比べて幼い部分が目立つように思います。
きちんと挨拶ができないとか、自分勝手な態度をとりがちなのです。お客さまとしては、同業他社の同水準のところと比べてどうかということを、常に気にしています。つまり期待よりも価値が低く感じられる時に、クレームが起きると言えるのです。
いまは社会全体がサービス化しているので、コンビニに求められるようなサービスが、病院や官公庁まで求められる傾向にあります。そういう時代ですから、お医者さんがぞんざいな対応をしたらドクハラになりますし、パソコンサポートのIT技術者にも、コンビニの店員さんと同じような対応が求められるのです。(つづく)
~クレームが発生する要因、対応の基本手順などを実践演習とともに学ぶ!
~お詫びだけではなく、こちら側の言い分を伝え、ご納得いただくスキルを習得!
~クレーム電話応対力を頭と体で強化していただきます!