クレームというデリケートな問題を扱う交渉では、相手の感情に気を配りながら進めることが求められます。交渉時の話し方にはコツがあります。
■相手を主語にして話す
相手にとって何が困るのか、相手から見てどうなれば嬉しいのか、というように、相手を主語にして話を進めます。相手の問題解決のために交渉をしている、という姿勢を示すことが大事です。
■守りの姿勢を前面に出さない
問題が起きたことに対する言い訳がましい釈明や、自分に負担がかかるような提案について反射的に拒絶する等、自分を守るような姿勢が目につくと、「不誠実」な態度と取られたり、あるいは「問題を解決する力のない人」と見なされる可能性もあります。
■話しすぎない
「話しすぎ」は、交渉においては弱点を露呈する可能性を高めます。また、問題の捉え方が「軽い」という印象も与えがちです。
■交渉は連係プレー(2人以上で交渉)
重要で絶対に成立させなければならない交渉は、「2人以上」で交渉します。連携プレーで話すことで、効果的に交渉を進められます。
ただし、急に交渉の場に誰かを同行させても、効果的には動けません。事前の事実確認や役割分担は必ずしておきます。
■論点を整理するためのツール
双方にとって建設的な合意を目指す上で、「論点の整理」が基本となることについては、他の交渉と変わりありません。論点を整理する際に、「交渉準備シート」を活用するのも一つの方法です。
◇交渉準備シートの項目例
1.争点(論点・焦点)は何か
2.お互いの要望を把握する
・相手の要望
・こちらの要望
3.交渉のメリット・デメリットを把握する
・交渉相手のメリット・デメリット
・こちらのメリット・デメリット
4.ボトムラインを把握する
・交渉相手のボトムライン
・こちらのボトムライン
5.双方の共通点と相違点を把握する
・共通点
・相違点
交渉準備シートの項目を埋めておくことで、連携プレーで交渉する際にも、スムーズに対応ができるでしょう。