【CS(顧客満足)とは】
前回は、様々な視点でCSを捉えることが必要と解説させていただきました。本日は、ビジネスにおいてはやはり重要となる「マーケティング」の視点でCSを分析してみたいと思います。
■CSの目的を鮮明にさせる~CSの因数分解
CSについて、まず押さえなければならないのは、自分の組織にとってのCSの目的を鮮明にすることです。そのためには、「顧客満足」において
1.「顧客」は誰か
2.「満足」の内容はどのように評価されるか
3.CSの対象は何であるか
を鮮明に意識する必要があります。
煎じ詰めれば、顧客が自社の提供する商品・サービスに満足しているかどうかということであり、当たり前すぎて、議論の余地がないようにも思えます。しかし、いろいろな方とCSについてお話をすると、最初の出発点で議論が噛み合わなくなることが少なくないのです。そこで、CSを以上の3要素に因数分解したうえで、以下、CSの目的を考えるにあたっての基本事項を説明いたしましょう。
■「顧客」は誰か?~類型化と具体化を追及
「顧客」はすべてのお客さまだという考え方があります。他方、「真実の瞬間」で有名なスカンジナビア航空の元最高経営責任者ヤン・カールセンのように、「顧客」を例えばビジネス客に絞り込む手法も、今では一般的です。あるいは、従来の"外部顧客"だけでなく、他部署の従業員なども幅広く"内部顧客"とする考え方もあります。この場合、往々にして、顧客満足(CS)だけでなく従業員満足(ES:Employee Satisfaction)も問題になってきます。
マーケティングの観点からは、「顧客」を個人と法人などに区別し、親密度で新規先・既存先としているところが多くあります。単に新規先・既存先だけに終わらせず、たとえば、"見込み客"(Prospects)がはじめて購入(契約)して"お客さま"(Buyers)になり、再購入して"リピータ-"(Customers)となり、さらにお取引が頻繁になってくると"固定客"(得意客(Clients),贔屓客(Advocates))に成長することになる、といった細分化をしている企業もあります。
このようにCS向上を図るうえでは、「顧客は誰か?」、まずこの答えを組織員全員で共有する必要があると思います。みなさまの組織では、「顧客」に対する認識が統一されていらっしゃいますか?じっくり時間をかけて討議するにふさわしい議題だと思います。
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