■エスカレーターのマナー~郷に入っては郷に従え
出張で新幹線の東京と大阪を往復した際、エスカレーターの
乗る位置に違和感を感じたことがある人は少なくないでしょう。
東京が左側に対して、大阪は右側です。実は、グローバル
スタンダードは大阪の右側です。1970年の大阪万博の際に、
外国人が訪れるということで、エスカレーターの乗る位置を
右側に広宣しました。アンチ東京も手伝って、現在に至っている
とも言われています。
この場合、自己の主張がどうであろうが、"郷に入っては郷に従え"
というのが、社会人としてマナーです。
■歩行者のマナー~右側通行か左側通行か
"郷に入っては郷に従え"をマナーの原則とするものとして、他にも、
歩行者の通行があります。
不思議ですが、道路交通法では、歩行者は右側通行を原則と
定められているほどですが、厳密に言えば、法律違反が
横行しています。
典型的に、繁華街では、自然と左側通行になっているところが多い
ようです。夜の繁華街では、酔っ払いなどに絡まれないためにも、
左側通行が良さそうです。杓子定規に右側通行などすると、因縁を
つけられる可能性があります。どういうわけか、人間の自然の行動
という点に着目しますと、左側通行のほうに分があります。
実際、電車などの乗り換え道などでは、「ここでは左側通行」という
表示を見かける点からいっても、通路の構造上の問題だけではない
ような感じがします。いずれにしましても、繁華街などにおける歩行で
独自性を出すのは大人気ないでしょう。
ちなみに、1949年までは歩行者は左側通行でした。さらに言えば、
江戸時代、武士の作法(マナー)として、歩行は右側通行でした。
武士は左側に刀を差していたため、前方から来た武士に抜き打ちに
切られないようにするために、右側通行が守られていたようです。
ところが、明治時代になり、文明開化の影響を受け、左側通行に
なったとされています。
■法令で決まった着物のマナー右前~左前にならないために
逆に、法律が根拠となったマナーもあります。それは、
和服の前合わせです。男女とも「右前」です。自分から見て
(手前といいます) 左右どちら側の布地を先に自分の肌に
密着させるかという意味で、右前なのです。
根拠は、奈良時代の719年に出された「衣服令(えぶくりょう)」
という法令の中にある「初令天下百姓右襟」という一文です。
「庶民は右前に着なさい」とされ、これ以降、着物を右前に
着ることが定着したものと考えられています。
ですから、「左前」は死に装束ですし、会社が左前になるという
言葉もあります。ちなみに、洋服は男用が右前、女用が左前です。
まあ、こんな話は知らなくても、痛くも痒くもありません。
☆次回へ続きます!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方