■妥当解というアプローチ~複数の対策を長短比較する
最近の若いビジネスパーソンを見ていますと、黒白をはっきりさせたがる
傾向が強いようです。あれかこれか、どちらが正しいかという問いの立て
方です。
確かに、真摯にものごとに向かい合う姿勢には感心させられます。
前提条件が明解なものに対する演繹法的な論理展開では、通常
正解は1つです。
あるいは過去の事象に対する現時点での評価もオーソドックスな説が
あります。
しかし、仕事の上で求められるのは、これだけではなく現在や将来の
課題に対する妥当解もあります。対応策を複数考えたうえ、長短所を
比較検討して、現時点で妥当だと思われる解を出すことが求められる
ことが多いです。
この点が、ビジネスにおける思考方法の重要な点です。
■アナログ思考~目盛りのあるモノサシで考える
黒白をはっきりさせたい理由の一つとして、デジタル思考が普及した点は
否定できないと思います。コンピュータが仕事や生活に浸透してきた影響
もあるでしょう。
確かに、ものごとをすっぱり割り切るなどデジタル思考の良さはありま
す。しかし、判断を求められる場面であれかこれかとなると、往々に迷う
ものです。真面目な人ほどストレスの大きさを感じます。
このようなとき、目盛りのあるものさしで考えるということで、アナログ思
考を採用したらどうでしょうか? 0か1かではなく、0.5とか0.7とか
の選択肢もあると、意外に気が楽になります。
あるいは、例えば、-0.5、0、+0.7の選択肢で考えて、マイナスに
ならなければよしとするのでも良いかもしれません。
所詮、妥当な解など後づけです。現在進行形の課題では、けっして灰色
的解決ではなく、バランスがとれた妥当解です。
■良いとこ取り~ときには手書きも
このような妥当解とかアナログ思考といったものを身につけるために、
私がお奨めするのは、手書きです。ふだんはパソコンで仕事をしてい
人も、ときには、鉛筆で手書きして考えてみると、いろいろ、考えが出て
くるものです。
文字にこだわらず、絵や記号でもなんでもありです。
不思議ですが、キーボードで考えるのと手書きで考えるのとでは、何か
違いがあります。
どちらが良い悪いのではなく、双方の良さを取り入れたらどうでしょうか
ということです。良いとこ取りで構いません。
重要なことは、自分の頭で考えるクセをつけることです。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方