■新型インフルエンザと地震の共通点は?
新型インフルエンザが猛威をふるったときに、従業員が出社に困難になったことがありました。このとき、BCPを見直した企業は、今回の大震災でも役に立ったといわれています。
新型インフルエンザは、今回の大震災と違って、工場や事務所が破壊されたわけではありません。確かにこの点は大きな違いですが、従業員が出社できない点は共通です。
ということは、従業員が出社を困難な状況で、事業継続をするにはどうしたらよいかという対策は、基本的には新型インフルエンザであろうが地震であろうが同じではないかということです。
実際、ある企業では、新型インフルエンザ対策として、4割の従業員が出社不可能になった場合も事業を継続する体制を築き、今回の大震災で効果がありました。在宅勤務や代替要員の確保などの対策は地震で生じた出社困難者への対応でも有効です。
■地震への対策ではなく、地震で起きた事態への対策を考える
結局、あらゆる災害・事故リスクを洗い出し、災害や事故ごとに対策を考えていては、キリがありません。考えてみれば、台風で公共交通が止まってしまうケースなどよくあります。交通ストで通勤できない時代も過去にはありました。新しい感染症で通勤できないケースも考えられます。ここで、想定外の災害・事故をいくら持ち出しても解決につながりません。
原因は何であれ、通勤できない従業員という、本質的な状況は災害・事故時には生じるものだという点は共通だということで、対策が考えられていたかどうかがBCMのポイントです。この点が、災害への対策が中心になる防災計画とは、コンセプトが異なる点です。
地震への対策ではなく、地震で起きた事態への対策を考える点がBCPでありBCMのポイントです。
☆来週もお楽しみに!
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