■部下育成は「理念」を理解させることから
「部下育成」はこれだけで立派なプロジェクトです。プロジェクトである以上、現状分析があり、人材の「要件定義」があり、「スケジュール」があります。
なんら違いはありません。違いがあるとすれば、「笑顔」とか「声かけ」とか、開発能力以外のスキルが必要な点だけです。
部下育成の課題は、部下・後輩を現場で"考えて""動ける"自立した人材へと育成することです。そのためにはまず、上司たる育成担当者が部下育成の本質を理解することが不可欠です。
ものづくりの理念、考え方、そして所属する組織の理念に合わせた骨太な部下指導を行うことが求められています。
また、部下指導の基本はOJTです。OJTとは「On the Job Training」の略で現場の中で仕事を実際にさせながら、指導していく方法です。
■OJTにおいては、部下の受け取り方、理解度などに配慮し指導すること
現場で仕事を実際にさせながら、指導する際、部下の「受け取り方」、「理解度」、「気持ち」に配慮して、仕事の指導を行うのが重要です。
その際、単に仕事を教えるとか、引き継がせると考えるのではなく、目標を明確にした上で十分に準備し、繰り返し指導していくことが求められます。つまり、考えて、気を遣って、はじめてできると考えて頂きたいと思います。
■OJTの本質は、「考え方の軸」を認識させること
OJTの本質は、技術や組織の「考え方の軸」、いわばものづくりや組織のDNAを、部下の頭の中に摺りこむことです。そのためには、この「考えの軸」を繰り返し、繰り返し伝えていく熱意が必要です。
■考え方の軸があれば、経験が浅くても現場で判断できる
部下の頭の中に「考え方の軸」ができれば、仕事の現場で判断に迷ったり、間違った判断をしてしまうことが少なくなります。
その結果、部下が組織の中で自立して動くことできるようになり、仕事の成果や働く意欲の向上につながります。さらに、「考え方の軸」が組織全体に浸透し、組織内で確立していけば、自分の部門全体の力を集約して強力に発揮できる効果もあります。
■まず、OJT担当者はものづくりおよび自組織の考え方の軸を再確認する
育成担当者も自分自身を振り返り、「考え方の軸」を再確認する必要があります。その上で、目指すべき方向を明確に示した上で、自信を持ってOJTを進めることが重要です。
【今週の宿題】
自組織の(もしくはあなたが信念として持つ)もの作りの考え方の軸は何ですか?