【ホウレンソウを鍛える新人フォロー研修】
ホウレンソウを鍛える新人フォロー研修 【3】
(前回のつづき)
■ホウレンソウが必要な事象かどうかを判断すること
上司:「どうしてこんな重要な事を報告しなかったの? お客さまがお怒りだよ」
新人:「そんなに重要なことではないと思っていました・・・」
職場で良く見かけるシーンではないでしょうか?
実は、ホウレンソウが難しい理由は、習慣の問題ではなく、「判断業務」だからです。よって、新人には特に、ホウレンソウが難しいのです。
一見、新人の怠慢が招いたトラブルのように思いますが、実は上司側にも少なからず責任はあります。
■判断力をつけるのは、先輩・上司の義務
先輩・上司に求められるのは、考え方の軸を新人に認識させることです。
「考え方の軸」とは、会社の理念や企業風土など、「組織の考え方の根底」にあるものです。
日常指導の本質は、この「考え方の軸」、いわば企業のDNAを頭の中に摺りこむことです。
この考え方の軸ができれば、仕事の現場で判断に迷ったり、間違った判断をしてしまうことが無くなります。
その結果、ホウレンソウが上手になっていきます。
■指導のポイントは「考え方を縛る」
例えば、指導をする際には、「○○をしてはいけない」「必ず○○すべきだ」という行動面を説明しがちです。
しかし、必要なのは、「なぜこんな行動をするのか?」という意図を繰り返し伝えていくことです。
そうすると、新人は業務を実行する際、考え方のプロセスにまで入り込んで、判断の軸をつくっていきます。
つまり、考え方を縛ることを意識して教えていくやり方が重要になるのです。
例えば、先の、上司と新人の間には、以下の様な指示が前にあれば良かったのではないかと思います。
上司:「君にこの仕事を頼むよ。この仕事はお客さまに喜んでいただくためにやるという事を理解して欲しい。もし、お客さまがご不満に思うことがあれば報告して欲しい」
新人:「分かりました。お客さまに何かご不満があれば、ご報告し、ご相談させていただきます」
■簡潔明瞭であること
「簡潔明瞭」とは、「話すと約1分間。文字にすると、結論が50字、理由が3つで50字×3=150字で終わる内容」です。
また、数値・数量・固有名詞が適切に含まれており、できるだけ形容詞が少なく、あいまいでない表現であることです。
簡潔明瞭に伝えるためには、伝えたい内容を要約する力が必要です。
要約の第一歩は、話す前にまず、話す内容を箇条書きにすること。
「結論」と「理由3つ」を心がけて書くと効果的です。
■タイミングが適切であること
ホウレンソウができない原因の一つに、「タイミングが分からない」というものがあります。
先輩、上司から見れば、些細に思えますが、実に多くの新人がホウレンソウのタイミングについて悩んでいます。
【新人の考え】
・報告しようと思ったが、上司・先輩が忙しそうで伝える事ができなかった。
・以前相談したら取り合ってもらえなかった。
新人も社会人であり、幼児ではないので、いつもいつも彼らの都合に合わせて話を聞いてあげる事は不可能です。
しかし、「今、忙しい。後にして。」とホウレンソウの機会を奪ってしまうことが何度が続くと、新人は億劫になってしまい、ホウ・レン・ソウをしなくなります。
■「タイミングはつくるもの」と教える
そこで弊社では、「ホウレンソウのタイミングは、つくるべきもの」と新人に教えています。
新人は、新人なりに忙しそうな上司・先輩に気を使い、上司の手が空くタイミングを待っているのですが、実際の職場でそれを見つけるのは難しいものです。
まず、一般的に上司・先輩の手が空いているのは、朝一番、午後一番です。
通常、そのタイミングで話をすれば、まずホウレンソウは円滑に進みます。
さらに、それ以上に上司・先輩に自分の時間をつくらせるためには、上司に「あらゆる仕事への取り組み方」を見せ、評価を得ることを教えます。
例えば、新人には、一般的に職場の清掃、蛍光灯の交換から、居酒屋の確保まで、ありとあらゆる仕事が降ってきます。
そのような小さな仕事も含めて真剣に取り組んでいると、人柄が評価され、多少口べたであっても、要領を得なくても、先輩・上司は時間を取りやすくなります。
弊社の研修では、以下の様な例について考えてもらっています。
「本来の業務は積極的に取り組んでいるが、職場の掃除や忘年会の幹事などは、あからさまにイヤな表情をするAさん。
一方、本来業務はもちろんのこと、会議の設営や職場の清掃も自ら気づいて、積極的に行っているBさん。
自分が上司だったら、忙しい中、手を止めてあげたくなるのはどちらですか?」
このように研修の中で問いかけることで、日常の小さな仕事を積極的に引き受けることの重要性を理解させることができます。
☆この項終わり。次回をお楽しみに!
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【新入社員研修・新人研修ラインナップ】
■新人のためのビジネス基礎研修
~マナー・コミュニケーション
■新人のためのビジネス文書研修
~「書く力」を強化する
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周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方