OJTをより効果的かつ組織的に推進するためには、OJTを行うトレーナー、だけでなく、そのマネジメントを行う監督者など全てのOJT関係者の意識強化を図る必要があります。
そして、OJT監督者には、「育成方針の認識」→「目標の設定」→「目標達成のためのスキルの洗い出し」→「スキルの習得方法の検討」→「スケジュール化」という、育成計画を作るにあたっての一連の流れを踏まえて作業を進めることが求められます。
先週は「目標の設定」までをお話しましたので、今週はその続きです。
■目標の達成のためのスキルの洗い出し
まずは、育成目標を達成するのために、指導を受ける部下・後輩に具体的にどのような知識やスキルを身につけさせる必要があるのかを書き出していきます。
この作業は、直接実務に携わるOJTトレーナーにさせるとよいでしょう。
洗い出した知識やスキルを、大まかに種類分けし、それぞれの知識・スキルに優先順位をつけた上で、「いつまでに習得させるか」を考えつつ時間軸の上に落としこんでいきます。
それにより、知識・スキルの習得工程が一覧できる、「スキル体系」ができあがります。
その際、短期的に何をさせるかは、まず、OJTトレーナー中心に考えさせることが大切です。
例えば、1週間で何を身に付けさせるか、1カ月後までに何を身に付けさせるかなどです。
1年後にはどうなってもらうか、3年後の人材像はどのようなものかなど、中長期的に何をさせるかは、自部門の課題を踏まえ、上長とも協議した上で決定します。
その上で、自社の方針、戦略との整合性をはかります。
▽
インソースの「育成計画目標シート」はコチラです■知識・スキルの習得方法を検討する
知識やスキルの習得方法には、OJTによる指導の他、集合研修の受講、書籍やマニュアル、Eラーニングシステム等を使っての自主学習などがあります。
OJTは、必ずしも全ての指導をOJTトレーナーが1人で行わなければならないわけではありません。
OJTトレーナーが教えられない場合や、他にも教えられる人がいる場合などには、都度適任者に指導を依頼します。
OJT監督者は、部下育成を総合的にプロデュースする立場にあります。OJTトレーナーを含む職場全体の状況を視野に入れ、周囲と協調しながら育成活動を推進していくことがOJT監督者の役割です。
■スケジュール化する
身に付けさせたい知識・スキルが洗い出され、それぞれに「いつまでに」「どのレベルまで」「どうやって」「誰が」教えるのかが決まれば、次にそれらをスケジュール化します。
知識・スキルの習得までに時間がかかる項目は、ステップを区切ってスケジュールに落とし込みます。