様々なサービスが発達するに伴い、利用者が求める水準もますます高まっています。期待値のハードルが上がった結果、クレームの発生する可能性もますます高まっているのが実態です。
■サービスのレベルアップによるクレームの増加
あらゆる業界でCS(顧客満足)意識が高まっており、多くの企業や組織でCS向上のための取組みが行われています。そこで生じるのが、サービスや能力における「差」です。
サービスがレベルアップする企業が増える一方、相対的にサービスレベルの低い企業や組織の問題が目に付くようになり、結果的にクレームが増加します。これが、サービスレベルの「差」です。
また、現場指導を怠ることで人材育成が手薄になり、顧客対応力が個人の意識や能力に委ねられてしまうことがあります。それが結果としてクレームを受けるケースを増加させてしまいます。いわゆる、個人間の応対能力の「差」です。
■執拗なクレームの増加
近年、社会的ストレスが増加しています。不満の矛先は公共福祉サービスにも広がっています。結果として、強硬なクレームが増加します。
また、「○○は~をすべきだ」「○○はおかしい、納得がいかない」等、自らの正当性を声高に主張する人々が増えています。
さらには、権利意識の肥大化による、自己主張することが義務であるかのような社会的風潮の広がりがあります。もはや、クレームを申し立てることは日常化しているのです。
■メール、ネットからのクレームの大幅増加
インターネット、携帯、スマートフォン等のツールの出現により、メールでのクレームが大幅に増加しています。また、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及等、個人が世間一般に向けて気軽に発言できる環境も増え、一部の人のクレームに端を発して問題が一気に広がる傾向にあります。
■クレーム対応が上手にできない3つの理由
クレームは突然発生し、頭がパニックになるため、思っていた通りの対応ができないものです。
◇理由1:住民が困っていることに対して、心情理解が出来ない
住民の気持ちがわからないため、心情を踏まえた対応を取ることができません。
→対応が悪いという印象を与えます(継続した訓練・練習で克服可能)。
◇理由2:住民のクレームを我慢できず、「言い訳をしてしまう」
クレームが自分への攻撃のように感じられ、心が防戦してしまいます。
(例)「これ以上クレームを聞きたくない。」
「なんとかクレームを聞かずに収めてしまおう。」
→住民の神経を逆なでしてしまいます。
◇理由3:どんなクレームが発生しているのか、「事実の確認ができない」
クレームから逃れたいと思うあまり、事実確認が不十分なうちに解決策の提示をしてしまいます。
→さらに大きなクレームに発展してしまいます。
☆次週もお楽しみに!