■自社の商品を知ることの重要性
営業担当者にとって、自分の商品はどんなものかを知ることは極め
て重要です。商品性によって、売り方は全然違ってきます。
また、営業担当者に必要とされる能力も全然違ってきます。
営業担当者に必要な能力は、「人間関係能力」と「説明能力」の2つ
です。現実的には、自分のタイプを見極め、得意な方を伸ばしていく
べきだと考えます。
また、仕事が選べるなら、営業をはじめるにあたって、
自分にあった商品を売ると成果が出やすくなると思います。
■商品の類型と必要なスキル
企業の提供する商品(サービス)は、大きく分けて次の4つに分類
されます。
自分の売っている商品が、どの分類にあたるのかを知り、それを
売るために必要な能力が何なのかをあらかじめ認識しておきましょう。
(1)見ただけで分かり、かつ、ありふれているもの
(「日用品」「食料品」「ファッション品」「ブランド品」など)
【必要スキル】:人間関係能力 10割
この種の商品の売上げを大きく伸ばす際に求められるのは、まさに、
人間関係能力です。
なんといっても、置いてあるだけで売れる可能性の高いものですから、
いかに人の心に入っていけるかにかかっています。
必要なスキルとしては「笑顔」「接遇」などが重要となります。
(2)見て分からないが、ありふれているもの
(「保険、預金など一般の金融商品」「人材派遣」など)
【必要スキル】:人間関係能力 5割、説明能力 5割
この種の商品の売上げを大きく伸ばす際に求められるのは、
人間関係能力と説明能力の両方です。見て分からないのですから、
ある程度、説明能力も必要です。
具体的に必要なスキルは、
「笑顔」+「若干の資料作成能力」+「口がうまい程度の説得力」です。
(3)世の中になく、見て分からないもの
(コンピューターシステム、政策(福祉、税)、産業機械)
【必要スキル】:説明能力 9割、人間関係力 1割
論理力がものを言う分野です。とにかく、顧客は納得しないと
買いません。高い資料作成能力も必要になります。
頭脳の難易度が高い分野ですが、愛想がない営業でも売れるのは
こんな商品です。
(4)新しいが、だいたい見て分かるもの(車、家、家電製品)
【必要スキル】:説明能力 3割、人間関係力 7割
見て分かる商品なので、あとは人間関係力が勝負です。
ただ、顧客が分からない部分を説明するスキルも少しは必要です。
温かく「心」で売るが通用する分野だと思います。
■商品特性を知ってスキルをのばす
管理者のみなさんは、自分の営業スタイルにとらわれず、商品特性
も考慮して、部下のスキルアップを考えてください。
自社の商品群の中でもかならず、販売商品は1種類だけではないと
思います。
「商品特性」×「能力」×「スキルアップ」を踏まえて、
営業戦略を立てることをお勧めします。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方