【「内向的な人は営業に向かない」は本当か?】
「内向的な人は営業に向かない」は本当か? 【15】
■共通した問題点
私を含め、内向的な人には根本的に共通した問題点があります。
それは、「自信がないこと」です。
一般的に営業担当者は「明るく、話し上手」だというイメージが
あるので、「明るくしなければ!うまく話をしなければ!・・・でも
私は苦手」という気持ちが内向的な人には潜在的にあります。
たしかに、営業のメインの仕事は「商談」(お客様と話すこと)な
ので、そう思うのも仕方がないと思います。ですから、「営業向き
じゃないのに営業担当になってしまい、どうしたらいいかわからな
い」と考え、「お客様と話すのは好きだけど、営業には向いてない」
と仕事に自信を持てず、「営業」という職種に対して、不安感と言
うより拒否感を覚える人も私を含めて多いと思います。
■実は、自分のことを内向的だと思っている営業はすごく多いかも
実は世の中の「トップ営業」といわれる人の中で、「自分は内向
的だ」「自分は営業に向かない」と思う人は、実はすごく多いみ
たいです。インソースの営業担当者の中で抜群の営業成績の
M先輩は、営業歴10年のベテランです。
そのM先輩も自分のことを「内向的」だと思っているそうです。
隣にいるM先輩にきいてみました。
中 島「自分が内向的だと思うのはどんなときですか?」
M先輩「お客様がご検討されている研修企画案より、自分が考える
研修企画案の方が良いと思っても、それをお客様に率直に
ご提案できないとき。言葉がうまく出なくて、もじもじしてしまう」
中 島「そういうとき、どうするのですか?」
M先輩「仕方がないので、とりあえずお客様のお話を全部受け入れる。
まずお客様の案で動いてみて、やはり自分の案の方が良いと
実感してからから伝える。言葉がうまく出ないときって、自分の
案の方が絶対いいっていう自信がないから、うまくいえないん
だよね」
ちょっと意外でした!M先輩は、私から見て、とても論理的で、話の
上手な人です。ですから、自分のことを内向的だと思っているなんて
思いませんでした。皆さんの同僚や先輩にも聞いてみてください。
意外にも、自分のことを内向的だと思っている人は多いのではない
でしょうか。
■1/3の営業担当者は内向的だと思っている!
M先輩だけでなく、当社以外も含めて、他の営業担当者20名以上
にも聞いてみました。驚くべきことに、3人に1人は「実は内向的だと
思う」と言っていました。びっくりです。
弊社の社長(営業の本も書いています)も「私も生まれてから、外向
的と思ったことはない。一人で趣味に没頭したり、しているのが好き
だ」と言っていました。
■自分の内向性と上手につきあう
M先輩の様に、実は多数の営業担当者は内向的な部分を持ってお
り、それを受け入れて営業をしていることがよく分かりました。内向
的な性格を受け入れ、内向的ならではの自分の強みを探し、自信
を持って営業していけば良いのです。
■舟橋からのアドバイス
本文にあるように、私、舟橋もある程度内向的な部分を持っています。
なかなか言えない事が多かったり、人に会うのが億劫だったりするこ
とが良くあります。しかし、これは、経験と訓練でかなり解消できます。
特に「話し方」については、トレーニングで上手になります。
トレーニングには3つのポイントがあります。
1.特定の商品についてのセールストークを「1分間にまとめて」話す
話が上手になるためには、短時間で話せるようになることです。
短時間で話すためには、「声に出す内容」を厳選する事です。例えば、
1分間で1枚のパンフレットの内容を話そうとすると、全部話せません。
厳選した部分(内容)を少しの言葉で話すのです。例えば、1分だと
200文字ぐらいを選んで話せば、非常に分かりやすい内容になります。
2.何度も練習する(10~20回練習する)
何度も何度も同じ内容を話すことで、汗を流した分、経験という「自信」
が生まれます。お客様の前に立つ前に何度も何度も繰り返し、練習し
てください。練習した分だけ、言葉が出てきます。ちなみに中島さんも、
良く会社や商談に行く前の電車の中でちいさな声で練習しています。
3.自分の話している姿をビデオに撮り、何度も繰り返して見る
自分の話している姿を見た事はありますか?内向的な私は怖くて、
見たいとも思いません。しかし、勇気を持って見てください。今の時
代、ビデオが極めて容易に撮れるようになりました。携帯電話やデ
ジカメ、ビデオムービーなどで自分の話している姿を撮って見てくだ
さい。非常に勉強になります。
やはり内向的なタイプは表情が固く、目線も泳ぎがちか一点凝視に
なりがちです。それを確認したら、自分で見てまあ良いと思うレベル
まで、「笑顔を作る練習」「相手の目をみつめて話す練習」「相手にあ
わせてうなずく」練習を繰り返してください。自分の本当の姿を知れ
ば、ごく短時間で上手に話せる様になります。
■暗い表情には「おでこを出す」
また、表情に関しては、明るく見える「髪型」「お化粧」などはありま
す。ビデオを見て暗く感じたら、「おでこを出す」髪型にしてみてくだ
さい。また、お化粧も目元や顔が明るく見えるようにするだけで、表
情が明るくなります。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方