【「売る」仕組みを作るマーケティング】
「売る」仕組みを作るマーケティング 【10】
「マーケティング」と聞くと、商品開発をする部門や、企業戦略を立てる部署の人たちが携わるもの、と思いがちですが、日々お客さまの声に直に触れ、またマーケティング戦略を実際に展開する立場にある営業部門こそ、マーケティングと日々格闘している部署といえます。
■市場調査としてのマーケティング
「モノやサービス」を売りたいと思うならば、まず、どこにその「モノやサービス」を買ってくれる人がいるのかを知る必要があります。販売エリアや販売チャネルを調査し、販売活動のターゲットを決める、といったことがその具体的な活動内容であり、主としてその活動には「営業部門」の人が携わることになります。
■販売促進としてのマーケティング
「モノ・サービス」を販売するターゲットが決まれば、次はどのように売るかが課題となってきます。他社のモノと比べてお客さまに、より魅力的に思ってもらうためには、自社のモノの特徴をアピールすることが必要です。また、実際に選んでもらうためには価格も重要な要素です。
自社のモノ・サービスを認知してもらうための広告・宣伝を打ったり、価格政策を含めた販売促進策を展開するといったことが具体的な活動として取られることになります。
これらの活動には、「販売促進部門」と「営業部門」とが連携する形で携わることになります。
■製造計画としてのマーケティング
実際にお客さまのもとにモノやサービスを届けるためには、需要に合わせてモノ・サービスを安定的に供給することが必要になります。
お客さまが欲しいと思うモノが欲しい時に供給できなければ「売り逃し」になりますし、売れないものをどんどん作ってしまうと「不良在庫」になってしまいます。
「営業部門」は商品の動きを「製造部門」に伝え、「製造部門」は製造計画の調整に動く、といった形で携わることになります。
■企画・開発としてのマーケティング
モノやサービスを提供する際には、お客さまから様々なモノ・サービスに対するご要望を聞く機会が生まれます。そこからお客さまのニーズを汲み取り、新たな商品開発に生かすことで、さらに売れるモノづくりへの循環が生まれることになります。
「営業部門」は顧客のニーズを「企画・開発部門」にあげ、「企画・開発部門」はその情報をもとに新たな商品・サービスの企画・開発を行う、という形で携わることになります。
このように、営業部門をはじめとする組織の中のあらゆる部門がマーケティングと関わりながら、結果として一体的に機能するようになることで、マーケティング戦略が機能することになるのです。
☆「『売る』仕組みを作るマーケティング」はこれで終わりです。
次週もお楽しみに!
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