営業職「誰もやらない」101の秘策

 【入社3年目までの新人に伝えたい「営業成功のヒント」】

営業職「誰もやらない」101の秘策

セールストークはお客さま中心に表現する

入社3年目までの新人に伝えたい「営業成功のヒント」 【4】

セールストークはお客さま中心に表現する

★ナレーター部出身の営業担当者のお悩み

セールストークをどんな内容にすればいいか迷っています。私の売っている商品はライバル各社と比べて、高いメリットがあると思います。ですから、私は自信を持って、自社製品のアピールを行っています。でも、なぜか社内で私だけ全然売れません。学生時代、ナレーター部にいたし、説明も結構上手だと思うのですが・・・もう、セールストークがだんだんわからなくなってきました。

★営業成功のヒント

『教えてもらったセールストークが言える』ようになった後、次の課題は「自分で自在にセールストークを展開すること」です。お客さまのニーズをセールストークに反映させましょう。

■セールストークの主語がいつも「自社」では面白くない!

セールストークで最初に教えられるのが、「自社」や「自社商品」の優秀さのアピールです。その際には、必ず、自社や商品・サービスを「主語」として、アピールしていると思います。たとえば、
「弊社開発陣が10年の歳月をかけ開発した、絶対の自信作です」
「給与計算ソフト○○は業界でトップの売上げです」

このようなセールストークばかりでは、「なんか自慢話ばかりだな」「もっと、役に立つ情報が欲しい!」と、お客さまは飽き飽きしてしまいます。

■お客さまを主語にして、話を作る

お客さまを主語にして、話題を形作ってみると、活きたセールストークができます。
「御社の作る半導体の製造スピードが30%早くなる製品です」
「御社の事務職の方々が30分早く帰れる給与計算ソフトです」
・・・などのようにです。


■お客さまの関心に応じて内容を変える!

また、お客さまの関心は多様です。ですから、その関心に応じて、セールス内容を変えていかないと、効果的なセールスにはなりません。例えば、同じ商品でも、多様な魅力がありますが、顧客の関心によって、アピールする点を変えなければ、活きたトークにはなりません。つまり、自分の言いたいことではなく、お客さまの聞きたい話がセールストークなのです。

たとえば、パソコンの販売を例にすると・・・

(1)コスト重視のお客様の場合
「この商品は、昨年のモデルより、価格性能比半値になっております。昨年パソコンを購入されないで良かったですね」

(2)サポート重視のお客様の場合
「この商品は3年間保証となっております。一般的には1年保証ですから、3倍安心ですね」

(3)デザイン重視のお客様の場合
「この商品はイタリアの有名なデザイナー○○××の作です。飽きの来ない商品です」


■お客さまが購入する理由は3つぐらいは絶対必要

営業担当者は、お客さまに「買う理由」をご呈示することが必要です。お客さまがわずかに気づいたニーズをだんだん大きくして差し上げるのです。そのためには、セールストークの中に、買う理由がすっきり3つぐらい入っていないと、なかなか購入にまで結びつかないものです。

(1)「儲かります」(収益の拡大、コストの削減に寄与する)
例:「この蛍光灯を購入いただければ、電気代が年間1,000円削減可能です」「儲かります」はもっとも合理的かつ明快な理由です。理由の中で最強です。ただし、この場合は、費用対効果を明確に説明できないと印象が弱くなります。ベストはそれらの金額を具体的に数字にすることです

(2)「安いです」
例:「当社定価より、30%OFFです」
 「他社より、10万円は安いです」
 もっとも簡単にアピールできるのがこのポイントです。安いことは、とても説明しやすいことです。

(3)「安心です」「品質が良いです」
例:「インソースの研修は受講者の90%以上から高い評価を得ております」
 品質の高さもアピールポイントになります。同じ買うなら「良いもの」のほうをお客様は購入します。
 
(4)「法律の施行(国の方針など)に適合しています」
例:「『個人情報保護法』や『J-SOX法』にもちろん適応しております」
 新しい法律に対応する必要があるお客様にとっては、罰せられたらたまらないですから、「買う理由」としては、極めて有効です。

(5)「環境要因(世の中の流れ、トレンド)に合致しています」
例:「エコロジー化の進展の中...」
 みんながなんとなく納得してしまう内容(エコロジー、少子化など...)

(6)「不安を防止します」
例:「震度7の地震にあっても大丈夫です」
 リスクヘッジ効果があるというのも有効です。費用対効果は明確に出しにくいものですが、心理的効果は高いのではないでしょうか? 

(7)「新しい魅力があります」がある(お、こんな手があったか)
例:「冬の動物園では雪の中をペンギンが行進する姿を見られます」
 新しい魅力があると、好奇心を呼び、高い評価が得られます。

■最後は、お客さまにアピールポイントを教えていただく

繰り返しになりますが、お客さまにとってメリットとなること、お客さまが興味を持つこと・・・などがセールスポイントです。最もアピール力のあるのは、「お客さまが気に入っている点」を繰り返し、こちらがセールストークとして言うことです。

営業担当者「この車のどこがお気に入りですか」
お客さま 「そうだわ、赤い色かしら」
営業担当者「お目が高いですね。『赤』は色白の方には最も似合う色です。『赤』は素晴らしいです」
 
お客さまは営業担当者に気を許していれば、たいてい、気に入った点を機嫌良く教えてくれるものです。それを繰り返し、こちらが言うのです。それが最も簡単なかつ有効なセールストークです(お客さまが考えていることと同じなので必ず、お客さまは喜びます)。

営業担当者はあくまでも、お客さまと相対して、それに応じてセールスを組み立てるものと考えてください。


▼こちらもご参考下さい↓
 舟橋孝之著「営業のプロが新人のために書いた営業の本」


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