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【第2回】ニーズにあった輸送形態の構築(今回)
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日常、物流をあまり意識する事は少ないと思いますが、商品企画、販売を物流を知ることなしには考えられないほど、利益・コストに密接に関わった不思議なビジネス領域です。
特に近年、静脈物流(廃棄物等の物流)、ICタグ等が注目されており、勉強しておいて損な話はありません。
インタビューをお受けいただいたI氏は、知識と行動力を共に持ったビジネスマンであり、長年、物流の最先端を走られてきた方です。
今回は、ご無理を言って、お話しを伺いました。
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◇質問者、◆I氏
◇では、現在の中小企業は物流にどう対応していけばいいのでしょうか?
◆中小企業にとっては、自分たちのニーズにあった輸送の形態を構築することが求められていますね。
自分たちの輸送する製品の量によって、どういう運送手段を使ったほうが良いか、契約の仕方、業者の選定(得意分野など)、帰りの空き便の積極利用、共同配送などを上手に利用するべきですね。
中小企業の物流担当者にはこれらを調べる能力が必要になってくると思います。
トラック輸送より一部で間にコンテナ輸送を入れたほうが安く、しかも早く輸送できる場合もあって、知っていると知らないでは大きな差ですからね。昔はありえない話だったのですが、運送会社に共同配送のコーディネートを頼むことも最近では活発に行われています。
◇環境問題の観点などから鉄道輸送がまた見直されていますが、鉄道輸送に関してはどのようにお考えでしょうか?
◆鉄道輸送に関しては依然様々な問題があります。物流の大動脈である東京・大阪間では、やはりまだ時間がかかりすぎます。貨物列車は通勤電車との兼ね合い上、夜にしか出せないですし、スピードも、70~80キロぐらいです。
昔は専用路線が結構あったのですが、今はその路線が横須賀線や埼京線などの利益が上がる旅客線に取って代わってしまったのです。その他に、鉄道輸送はトラックでモノをターミナル駅まで運んで、送ったターミナル駅からまたトラックで運ぶということで、積み替えや積み下ろしのコストがどうしてもかかってしまうのです。
環境問題もありますが、すぐに鉄道輸送にシフトするかというと、なかなか難しいのが現状です。
国はモーダルシフトの観点から、スピードが90キロしか出ないリミッターなどを提唱していますが、やはり物流業界的にはコストの面で鉄道よりトラックの方がどうしても有利になっています。
トラックならばダイヤに縛られることなく自由自在ですし、ちょっと早めたり遅めたりすることはある程度可能ですからね。
(つづく)