■コスト0円の調査方法
先週は「発想力」についてお話ししましたが、次に「調査の方法」について説明します。突飛なことを急に考えろと言われてもなかなか難しいのですが、「いま」を改善する方法は、誰でもできることです。ただ、企画を立てるために、現状を調査したり、ものをどう考えていくかということにはコツがあります。
世の中に企画力研修はたくさんあるのですが、単なる「調査」からスタートするものが圧倒的に多いのです。たくさんのアンケート調査やヒアリングをして、その中からアイデアを拾い出していく手法ですが、現場ではほとんど役に立ちません。というのも、調査は実際にものすごいコストがかかるので、やたらに漠然とした調査をしても コストだけかかってしまいます。公聴会、ヒアリングやアンケート調査をむやみにやってしまうと、コストが先にたって成果が見えないものです。
ですから企画を確実にコンスタントに立てていくときには、あるアイデアをまず最初に出し、それを周りの10人に聞いてみます。たとえば自分の回りの10人に聞いて、7人が「いいね」と言ったら、次のステップに進みます。 これはコストが0円で出来ますね。 10人に聞いた後は、100人に聞きます。やはり身の回りで、知り合いや会社の人100人くらいに、やや詳細なアンケートをしてみる。これも1日くらいで回収できますから、コストはほぼ0です。そこでだんだん具体的にものが決まっていくので、それを踏まえてアンケート調査なり公聴会やヒアリングをすると、非常に的確な反応が返ってきます。 たとえば「夜12時までやっている託児所はいりますか」と聞かれて「ノー」という人は誰もいないと思います。それから「空を飛ぶ自動車が必要ですか」と聞くと、ほとんどの人が「ほしい」と答えるでしょう。
しかし、それが100億円するというと、誰もいらないということになる。アンケートや調査は、かなり細部まで決まった段階でしかできません。雑駁な意見を集めても、ものを売ったり、実現するときにはあまり意味がない。夢を実現するのは科学者の仕事です。企画者はそれが売れるか、あるいはみんなに喜ばれるかというところへ持っていくという違いがあります。
※次回は「企画作りのポイント」についてお話しいたします。
どんなに面白い企画でも、儲からなくては組織として実現は難しいでしょう。また、そもそも目新しいものがないと企画を立てる意味がありません。
この様に企画を立てる際にはいくつかポイントがあります。