■コンプライアンスを前提として仕事を見直す
コンプライアンスの前提として、仕事自体のフローを見直して、工程分析し、その工程をできるだけ減らすということをやらなければいけません。現状の事務フローのままコンプライアンスを強化しましょうといってチェック項目をたくさん設けるとか、もしくはチェックする人を更に増やすというようなことは原則してはなりません。人が多すぎると、誰がチェックするだろうと無責任になり、逆にミスが起きます。事務フローを見直して、人を減らすぐらいにしないといけません。
ここで大事なのは、仕事の要約ができているかどうかです。仕事の要約ができていれば、何が違うかが分かってそこを抑えていきます。往々にして、問題を起こした会社や部署はどういうことをやるかというと、チェックのためのチェックをまた作ってしまいますので、結局はますますできなくなってしまいます。そうするとそこでまた人が足りなくなるという悪循環を生じさせてしまいます。
■コンプライアンスがうまくいっている組織は少ない
役員は、特に法令遵守(コンプライアンス)を守ることが求められる立場ですが、現状はそれができていないことが多いのではないでしょうか。
私は大手銀行で合併の時に立派なマニュアルの作成に関与しましたが、その時「経営者向けのコンプライアンスマニュアル」がないということと、逆に担当者向き・管理者向きのものがたくさんありすぎる、ということ感じました(そのため、私はコンプライアンスの見直しの必要性を感じましたが、その前に銀行を退職してしまいました・・・)。
もっとも、コンプライアンスが一般化したのは、日本ではまだ最近ですから、その当時、コンプライアンスが上手くいっている会社をあまり聞いたことがありませんでした。ただ、数少ない上手くいっている所は、コンプライアンスの重要事項だけに絞って、軽量化して取り扱っている会社だと思いました。
ダメな会社は、コンプライアンスがまずいといわれると、分厚いマニュアルを作ったりとか、チェックを増やしたりしてしまいます。それは逆効果だと思います。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方