後継者不在率は初の60%割れ

2022年12月14日

後継者不在率は初の60%割れ

全国の後継者不在率は57.2%となり、調査を開始した2011年以降初めて60%を下回ったことが帝国データバンクが実施した「後継者不在率」動向調査(2022)で明らかとなった。

2022年の全国・全業種約27万社における後継者動向について調査した結果、後継者が「いない」、または「未定」とした企業が15.4万社に上った。

この結果、全国の後継者不在率は57.2%となり、コロナ前の2019年からは8.0ポイント、2021年の不在率61.5%からも4.3ポイント低下し、5年連続で不在率が低下した。また、調査を開始した2011年以降、後継者不在率は初めて60%を下回った。

都道府県別にみると、最も不在率が低いのは三重県で29.4%だった。三重県が全国最低となるのは2021年に続き2年連続で、全国で初めて不在率20%台に到達した。

【後継者不在率 下位5】
1位 三重県 29.4%
2位 茨城県 42.7%
3位 福島県 44.7%
4位 和歌山県 46.2%
5位 鹿児島県 46.4%

後継者不在率が最も高いのは島根県で、全国平均を大幅に上回る75.1%となり、前年から上昇した。2番目に高い鳥取県(71.5%)の山陰2県が70%を超える地域となった。

また、北海道は調査開始後初の70%を下回ったほか、2011~20年の調査まで一貫して全国で不在率がトップだった沖縄県も後継者不在率の低下が続き、全国5番目の水準となった。

前年から不在率が低下した都道府県は41にのぼるほか、不在率60%を下回る都道府県は過去最多の30となるなど、全国的に低下傾向となっている。

ただ、後継者不在率が総じて低かった地域では、近年不在率が上昇傾向となっている。一方で、徳島県や島根県、石川県など、不在率が前年から上昇した地域もみられ、後継者問題の改善状況には地域ごとに濃淡がみられる。

【後継者不在率 上位5】
1位 島根県 75.1%
2位 鳥取県 71.5%
3位 秋田県 69.9%
4位 北海道 68.1%
5位 沖縄県 67.7%

業種別にみると、全業種で前年を下回り、かつ不在率70%を下回った。全業種で不在率が70%を下回るのは2021年に続き2年連続となり、全業種で過去最低を更新した。

2022年の不在率が高いのは建設業(63.4%)となったものの、最も高かった2017年(71.2%)からは7.8ポイント低下した。製造業(49.2%)は2011年の調査以降初めてとなる50%割れとなり、その他を除く全7業種で最も低い水準となった。

【業種別 後継者不在率】
建設 63.4%
製造 49.2%
卸売 54.6%
小売 60.1%
運輸・通信 53.5%
サービス  62.2%
不動産 57.5%
その他 46.1%

配信元:日本人材ニュース

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