凸版印刷、Zホールディングス...こんなにあるよ10月の社名変更！

＜目次＞
・「印刷」外してTOPPANに
・「LINEヤフー」が発足
・「洋菓子のヒロタ」100周年を節目に

2023年度下期入りの10月に合わせて、社名変更する上場企業は14社を数え、年明け1月の5社、年度初めの4月の13社を上回る。その顔ぶれには印刷最大手で120年を超える業歴を誇る凸版印刷、ヤフーとLINEを傘下に持つZホールディングスなどのビッグネームも含まれる。

「印刷」外してTOPPANに

凸版印刷は持ち株会社制への移行に伴い、10月1日付で「TOPPANホールディングス」を新社名とする。社名変更は1900（明治33）年の設立以来初めて。デジタル分野など新たな事業領域の拡大に伴い、祖業の「印刷」を社名から外す。凸版印刷の事業を継承する子会社は「TOPPAN」、「TOPPANデジタル」とする。

凸版印刷の2023年3月期の売上高は１兆6388億円。このうち印刷事業を含む情報・コミュニケーション部門は54％で、残りは生活・産業部門（パッケージ、建装材）とエレクトロニクス部門（半導体・ディスプレー関連）が占める。

一方、ライバルの大日本印刷は1935年の合併時以来の社名を維持している。

10月に社名変更する14社中、「100年企業」は凸版印刷に明治海運、KYBを合わせた3社。明治海運は1911年に三井物産船舶部の別組織として発足して以来の現社名を「明海グループ」に改める。海運以外に、ホテル、不動産業に事業が広がっており、グループとして一体感を打ち出す。

KYBは通称社名の「カヤバ」に正式社名を昇格させる。2015年にカヤバ工業を改め、当時の通称社名だった「KYB」を正式社名としたが、2022年4月にカタカナの「カヤバ」を通称社名として復活させていた。

同社は四輪車用緩衝器（ショックアブソーバー）の大手。1919年に創業した萱場発明研究所を前身とする。

「LINEヤフー」が発足

ネットサービス大手のZホールディングスは10月1日に傘下のヤフー、LINEと合併し、「LINEヤフー」として新たなスタートを切る。英文社名は「LY Corporation」とする。2023年3月期の売上高は1兆6723億円。

ヤフーは2019年10月、Zホールディングスに社名変更し、持ち株会社に移行。そのうえで2021年3月にLINEと経営統合した。事業承継会社の現ヤフーと現LINEはZホールディングスの子会社として活動してきたが、重複するサービスが多く、統合効果を引き出しにくい面があった。

極東産機は10月に創業75周年を迎えるのに合わせ、「KLASS（クラス）」に変更する。産業機械メーカーの枠を超え、人々の生活や社会が抱える問題の解決に貢献するとし、現社名のKYOKUTOをはじめ、関連する英単語の頭文字を並べた。

「洋菓子のヒロタ」100周年を節目に

「洋菓子のヒロタ」をグループの中核とする21LADYは「ヒロタグループホールディングス」に改める。洋菓子のヒロタが1年後の2024年10月に創業100周年の節目を控え、事業内容を明確に表す社名とする。

ローマ字社名に一新したのはほかに3社。ネット広告と語学研修の全研本社は「Zenken」、生涯学習のビジネス・ブレークスルーは「Aoba‐BBT」、中小製造業の連合体を目指すオージックグループは「ONE GROUP」とする。

IoT（モノのインターネット）関連などの受託開発を主力とするJNSホールディングスは「テクミラホールディングス」に変更する。テクミラは「テクノロジーとクリエイティブで未来を創る」を表す。同社は10月に東証プライムから東証スタンダードへの市場変更を予定している。

ITコンサルティング・開発のフライトホールディングスは2013年に導入した持ち株会社制の解消に伴い、「フライトソリューションズ」とする。より機動的な経営体制の構築が狙いという。

◎2023年10月1日：上場企業の社名変更（※ONE GROUPは2日付）

新社名	旧社名
Aoba‐BBT	ビジネス・ブレークスルー
UNIVA・Oakホールディングス	Oakキャピタル
ヒロタグループホールディングス	21LADY
テクミラホールディングス	JNSホールディングス
フライトソリューションズ	フライトホールディングス
バルテス・ホールディングス	バルテス
LINEヤフー	Zホールディングス
KLASS	極東産機
カヤバ	KYB
Zenken	全研本社
TOPPANホールディングス	凸版印刷
明海グループ	明治海運
メイテックグループホールディングス	メイテック
ONE GROUP	オージックグループ