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リエゾン

リエゾン(liaison)とは、本来は「音がつながること」を意味するフランス語で、「仲介」「橋渡し」「つなぎ」などとも訳される言葉です。

軍隊では昔から、連合軍隊などの各軍の間の調整を行う「リエゾン・オフィサー」がいました。そこから転じて、ビジネス分野でも異業種間の提携・企業内の別部署間の連携などの際に、調整的な役割を担う「連絡窓口」に、リエゾンという言葉が使われるようになりました。リエゾン機能を持つ組織を「リエゾンオフィス」「リエゾンセンター」、担当者を「リエゾン・スタッフ」と呼ぶこともあります。

医薬品・医療用品などのヘルスケア業界では、大学や病院、研究機関との間に立って医薬品の開発・治験を円滑に進めるメディカルサイエンスリエゾン(MSL)、サイエンスリエゾン、メディカルリエゾンが活躍しています。それ以外の業界でも、研究開発や製造の現場に入って、研究者やエンジニアにヒアリングを行い、特許が取れそうな開発品の権利化に向けて特許事務所ないしは特許庁へ働きかける「特許リエゾン」を置く企業もあります。

これまでリエゾンとは、医療や特許といった高度な専門知識が必要なジャンルで活躍する役割、というイメージがありましたが、近年ではより幅広い人材に求められるスキルとして注目されています。

その背景には、グローバル化の進展、消費ニーズの多様化があります。経済環境の複雑化により、既存の取引先に加えて異国間・異業種間の連携や提携が増えたことから、関係者を上手く橋渡しするリエゾンの役割が重要視されています。
また、社会貢献などのCSR活動に力を入れる企業が増えており、顧客・従業員・株主・地域の人々といったあらゆる利害関係者から信頼を得ることが企業のビジョンの一つとなっています。そこで、周囲とスムーズな関係を築くリエゾン型人材のニーズが一層高まっています。

リエゾン型人材に求められるスキルで最も重要なのは、傾聴に始まる穏やかなコミュニケーション力です。さらに、多様な意見を論理的にまとめ上げ、分かりやすく伝えるための思考力や説明力、関係各位との調整力や交渉力も必要です。また、周りを巻き込みながら成果を出していくリーダーシップも、リエゾン型人材に欠かせない資質と言えます。

皆さまの組織でも、多方面での活躍が期待できるリエゾン型人材の育成に注力してみてはいかがでしょうか。

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