■模倣から学ばせる
ゆとり世代の新人だけでなく、若手には「早く創造的な仕事がしたい」という欲求が強いです。しかし、深く考える習慣が育っていないときに、いくら「考えて、創造的な仕事をせよ」といっても、あまり良い結果は得られません。
それよりも、最初は徹底的に「模倣」させるのが創造的な仕事の近道になることを教えます。ゆとり世代の新人には、早く「きれいに仕事をしたい」、「失敗したくない」という特性があります。ですから、簡単な仕事の「模倣」であっても、まず新人に何かしらの成果を生み出させることが成長につながります。
また、成果を出すことができれば、達成感が高まり、「もっと深く仕事がしてみたい」「もっと創造的な仕事がしたい」と強い探求心が出てきます。その後で、少し複雑な仕事を与えるという手順を踏むと、深く考える習慣を徐々につけていくことが可能です。
■他者視点の判断軸を教える
ゆとり世代の新人にとっては、自分の判断基準より優先される「職場のルール」が存在することはなかなか理解できません。
職場には職場のルールや慣習があり、明文化されていないものも相当数あります。ゆとり世代新人には「自ら学んでほしい」と伝えると同時に、判断の軸が身につくよう指導もしていきます。
まず、仕事を依頼する際に、具体的な行動を仔細に教えるのではなく、「何を判断軸に行動するか?」を教えるように心がけます。例えば、電話メモの取り方を教える際には「電話をくださった方(他者)が一番嬉しい様にメモを取るべき」ということを伝え、具体的な行動を他者視点で考えさせます。
こうした訓練を継続して実施することで、徐々に他者視点を持てるようになります。そして、「自ら考え、動ける力」が身につき、「自立した社会人」になってくれることでしょう。