■アイディア1%・つくる9%・売る90%
企画を立てるというと、すごく大変なように思いますが、企画というものは、それほど特別なものではありません。
企画を立てることは、あらゆる方が日常の中でやっていることです。たとえば「こんなものがあったらいいな」「こうしたいな」ということがあれば、実行する前に、その予定(企画)を立てることが必要になります。
お弁当をつくる、旅行に行く、といったことも企画になります。ただしこれは楽しみの企画で、ビジネスとして仕事の中で立てる企画とは違います。難易度が全然違うのです。ビジネスと遊びの大きな違いは、遊びのほうは、お金を払えばできないことはありません。誰かにやってもらうこともできます。
しかし仕事における企画は、自分で考えて、自分がやるしかない。そこが難しいところです。
実際に企画を立てる仕事を希望される方は多いのですが、体力配分のような話をすれば、アイデアがひらめくとか、考えるというところは、企業における企画の仕事の中では全体の1%くらいです。そのひらめきをベースにものをつくっていきますが、簡単に言えばお金を使ったり、自分で汗を流して、商品なり法律なり、販売促進プランなりをつくり上げていくプロセスは9%くらいです。ですから実際のところ、合わせて1割くらいしかないのです。
ではあとの90%は何か。
たとえば企業でものをつくったとしたら、9割は売るプロセスです。どうやって売るか、どうやってみんなに知らせるかということです。ですから「○○を考えました」ということだけでは、ほとんど価値はありません。企画を実現するのと「思いついた」というレベルでは、しんどさが全然違うのです。人の批判をして、「自分ならこうやるのに」、というのは酒飲み話でできるのです。「ではやってみろ」、ということです。ただし、その「やる」というプロセスの前には、技術的に解決できる部分があります。
※次回は企画の第1歩、「発想力」についてお話しいたします。