2024年12月27日
ラベル作成機テプラやファイルなどの文具、事務用品を手がけるキングジム<7962>は赤字脱却に向け、既存事業の強化とともにM&Aを活用した家具や雑貨などのライフスタイル分野の拡充や、海外事業の強化に乗り出す。
同社は2024年6月期に、円安の影響や販管費の増加などによって営業損益が赤字に転落しており、2027年6月期までの3年間にM&Aに35億円を投じ体制を立て直す計画だ。
最近のM&Aについては、コロナ禍の中の2021年に雑貨やルームフレグランス(屋内用芳香商品)などを取り扱うライフオンプロダクツ(大阪市)を、2022年にはキッチ用品などを販売するエイチアイエム(千葉県習志野市)を子会社化している。
文具・事務用品市場は、在宅勤務やペーパーレス化、学校教育でのデジタル化、さらには少子高齢化に伴う需要の減少などの難題にさらされており、インテリアや雑貨などのライフスタイル用品事業領域の拡充や、成長が見込める海外事業の拡大などが急務となっている。
キングジムの計画は、こうした業界の情勢に沿ったもので、家具や雑貨をはじめキッチン用品や家電、インテリアなどのライフスタイル用品の事業領域で取り扱い製品を増やす。
同社では「土地勘のある隣の土地を開拓する」としており、領域の近い分野の事業を取り込んで業容を拡大する計画だ。
キングジムがこれまでに実施した主なM&Aとしては、ライフオンプロダクツとエイチアイエムのほかにも、2001年の室内装飾雑貨などのラドンナ(東京都江東区)、2008年の造花などのアスカ商会(名古屋市)、2014年の家具通販のぼん家具(和歌山県海南市)、2020年の作業手袋製造のウインセス(高松市)などがある。
これら子会社と近い製品を手がける企業がM&Aの候補となりそうだ。
これに加えて人口増加や経済成長によって、文具や事務用品の需要拡大が見込める新興国を中心とした海外での事業の拡大に取り組む。
現地に工場のあるベトナムやインドネシアを中心に、現地で企画、デザインした商品を投入するほか、販路強化のためにM&Aの手法を活用する。
海外でのM&Aの実績はないが、現地工場を活用してファイルのほか、キッチン雑貨や木製組立家具などを生産する方針を固めており、販路の強化は待ったなしの状況といえそう。
キングジムは2024年6月期に営業利益が2億4100万円の赤字(前年度は3億6800万円の黒字)に転落した。値上げによって原価率が改善したものの、想定を上回る円安によって大きな改善とならなかったのに加え、販管費の増加などもあり赤字を避けられなかった。
2025年6月期は、既存事業の強化とともに、M&A活用した取り組みなどを展開し、売上高は410億円と前年度比3.7%の増加を、営業損益は5億3000万円と黒字転換を見込む。
さらに3年後の2027年6月期には売上高520億円を目指す計画で、このうちの40億円分はこれから実施するM&Aで稼ぎ出すとしている。目標達成に向けてM&Aが果たす役割は小さくはない。
2025/6は予想
配信元:M&A Online
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