言い訳・間違いの指摘・反論から始めない
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34【3】
言い訳・間違いの指摘・反論から始めない
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クレーム対応が上手でない人は、お客さまの話がきけない
クレーム対応が上手でない人は、お客さまの話を全然きいていないようです。たとえば、このような具合です。
お客さま
「○○についてきこうとしたら、窓口の人の対応がすごく悪くて、露骨に嫌な顔をされたんですけど......」
応対者
「今日はイベントがある関係で人手が足りなくて、窓口の人間もものすごく忙しくて対応しきれないんです。それにこの時間帯は1日のうちで一番混雑する時間でして......」
このように、お客さまの話を最後まできかず「言い訳」や「説明」を始めてしまう、もしくは、黙ってきいているけれども無反応・無表情といった人は意外と多いものです。
お客さまの話がきけない理由は、クレームが自分への攻撃のように感じられ、心が防戦しているからでしょう。これ以上クレームをききたくない、なんとかクレームをきかずにおさめてしまおうという心の声に支配され、それが行動に表れているのです。
言い訳を始めると、まずクレーム対応はうまくできません。お客さまの頭の中は、「言い訳するんじゃない!」「私の話をちゃんときいてほしい」という声でいっぱいになっています。
お客さまの気持ちを受け止め、共感を示す
当たり前のことですが、クレームを寄せてくるお客さまは怒っています。
1度ならず2度、3度とクレームにあう人は、その怒っているお客さまに対して意見・意向の間違いを指摘していることや、即座に反論をしてお客さまの気持ちを逆なでしていることが多いものです。特に自分の判断やマイルールに固執し、こちらがいかに「正当性があるか」をくどくどと反論している場合、クレームが重大化するケースが圧倒的に多くなります。
自分とお客さまの常識は異なります。その点を考慮に入れず、自分の常識が常に正しいと考えて対応しているので、クレームにあいやすいのです。自分の常識の押しつけはいけません。こんな場合、反論や言い訳をするのではなく、お客さまの気持ちを受け止め、お客さまへの「共感」を示した言葉をかけましょう。
「ご指摘いただいた通り、お時間がかかりすぎています」
「さぞご不快でいらっしゃったことと存じます」
「○○(お客さまの言葉の復唱)でございますね」
「お客さまと同じ立場であれば、私も同じように感じると思います」
日ごろからお客さまの立場になって考える訓練をして、お客さまを主語にして言葉を発するようにしましょう。実は、お客さまの話をきかない対応こそが、クレームを受けやすい元凶になっているのです。
お客さまに反論する際の注意点
最後に、「が」と「ど」がつく言葉、「が止め」「ど止め」は禁句です。
「○○とおっしゃいますが」や「お気持ちはよくわかるんですけれど」などは、反論しているようにきこえてしまいます。「そうだったんですね」「お気持ちはよくわかります」など肯定の表現をし、反論がある場合は話をよくきき、事情をよく理解したうえで行いましょう。