2023年7月10日
コロナ禍中に、退職者の募集や補充採用の中止を行った企業の61.5%が、現在人手不足を訴えていることが東京商工リサーチの2023年企業の「人手不足」に関するアンケート調査で明らかとなった。
コロナ禍(概ね2020年2月以降)で、人員削減のための「希望退職」、「退職勧奨」、「整理解雇」、「補充採用の停止」の4項目の実施を聞いたところ、いずれか1つを実施している企業は6071社中、599社(9.8%)あり、全体の約1割を占めた。
実施項目の中で、最も多かったのが「補充採用の停止」で311社、次いで「退職勧奨」106社、「整理解雇」96社、「希望退職者の募集」86社と続いた。
業種別では、人員削減を「実施した」企業の割合は、観光業や冠婚葬祭業などに代表される「その他の生活関連サービス業」が45.1%でトップ。次いで、コロナ禍による外出自粛等で需要が縮小したアパレル小売の40.0%、印刷・同関連業の33.7%が続いた。
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コロナ禍で人員削減を行った企業で、現在の自社の人員の充足感を聞くと、全企業507社のうち312社(61.5%)が「人手不足感がある」と回答。対して、「人手過剰感がある」と答えたのはわずか1割(11.4%)にとどまった。
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「人手不足」の業種別では、飲食店が構成比100%でトップ、次いで総合工事業が同85.7%、設備工事業が同78.5%と続いた。
上位10業種のうち、3業種が建設関連だった。建設関連の近況について東京商工リサーチでは「コロナ禍当初、店舗や商業施設を中心に、工期延期や工事の中止などにより、人員削減を余儀なくされたが、経済活動の再開に伴い、人手不足感は高まっている」と指摘する。
そのほか、同76.9%だったその他の生活関連サービス業では、旅行会社や結婚式場運営会社を中心に需要が回復し、人手不足を訴える企業が相次いでいる。
調査は、2023年6月1日~8日、全国の企業を対象にインターネットで実施し、6071社の有効回答を集計、分析した。(資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義)
配信元:日本人材ニュース
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