2029年問題とは?~若手の離職を防ぐために、既存社員にプログラミング教育が必要な理由
2029年問題とは、この年に入社する新卒社員と、既存社員との間で「デジタルギャップ」が生じる問題です。
2022年から、「情報Ⅰ」が高校で必修化されました。高校でプログラミングやデータ活用を学んだ世代が2029年以降に新人になるため、「2029年問題」と言われています。
「新時代の世代間ギャップ」により生じる課題
2029年を待たずして、既に「デジタルギャップ」を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、DX・ITのリテラシー教育に関するお問合せは年々増えており、以下のようなお悩みをお聞きします。
会話が噛み合わない
情報Ⅰを学習した新人と既存社員では、デジタルリテラシー(デジタル技術を理解して活用する能力やスキル全般)に大きな差があります。例えば、新人が以下のようなことを言った場合、どのように回答するでしょうか。
「先輩、この業務毎日やってるんですけど、RPAとかPythonで自動化してもいいですか?」
この時、先輩側が「RPA」「Python」「自動化」を正しく理解していないと、会話が噛み合わなくなります。また、口に出さずとも「この上司では理解できないだろう」と考え、会話になる前に諦められてしまう可能性もあります。
新人の能力を活かしきれない
新人を受け入れる側のデジタルリテラシーが不足していると、新人のデジタルスキルを正しく把握できません。また、新人の能力をどのように活用すればよいかを、思いつくことができなくなります。
例えばプログラミングスキルを持つ新人が入社した場合、上司に理解があれば早々に活用できる仕事を用意し、活躍の場を与え、自己効力感を持たせることができます。しかし、上司が「どの場面でプログラムを活用できるのか」を具体的にイメージできなければ、そのスキルをうまく活かすことができません。結果、新人側は「自分の得意分野でない仕事」ばかりを指示されている、という印象を持つ可能性があります。
新人から「この会社は遅れているな...」と思われてしまう
2029年問題が話題になる前から、働き方改革に伴いデジタルツールを活用し業務を改善することや、企業の競争優位性を確立するためにDX(デジタルでビジネスモデルを変革すること)を進めることが必要になりました。
このような背景があるにも関わらず、いまだに自動化できる業務を人の手で行っていたり、デジタルリテラシーがない社員が多かったりすると、新人からは「遅れている会社だ」と思われる恐れがあります。そのような組織の場合は、そもそも新人の採用すら難しくなっていくかもしれません。
上記の課題を放置すると、新人の離職率が高まる可能性があるため、2029年に入社する新人が既存社員とのデジタルギャップを感じないようにする工夫が必要です。
2029年に入社する新人を受け入れるまでにすべきこと
「情報Ⅰ」ではプログラミングやデータ活用など、デジタルリテラシーの基礎を幅広く学びます。情報Ⅰの教員用教材は、文部科学省のHPなどから確認することができます。
デジタルリテラシーの中でも、特に新人と既存社員で差が大きいのは「プログラミング」に関する知識とスキルです。PC自体やExcelの操作などは業務内で学べても、プログラミングは学校や学部で選択しない限り、学習する機会がほとんどないためです。
そのため2029年までに、既存社員にプログラミングの知識・スキルの学習機会を提供することを推奨します。
既存社員に行うべきプログラミング教育とは
プログラミング言語
情報Ⅰで学習するプログラミング言語はいくつかありますが、60%以上の高校が「Python」という言語を採用しています。Pythonは、ユーザー数が世界で1番多い言語でもあります。
データ分析や業務自動化などさまざまな場面で活用できるため、Pythonは既存社員へのプログラミング教育にもピッタリです。
教育カリキュラム
情報Ⅰでは、プログラミングがどのような場面で活用できるかについても学習します。そのため、既存社員にもプログラミングのコードを書く方法だけでなく、実際の業務で活用するイメージを理解してもらう必要があります。
Pythonプログラミングの学習方法は、研修や本、eラーニングなど多くの方法があります。プログラミング未経験の場合は、環境設定や基本的なルールを学習するところで挫折しやすいです。
そういった理由から、講師にその場で質問ができる研修をおすすめしています。
また、当社のPython研修は完全初心者向けのため、プログラミングを学んだことがない従業員でも、問題なく学習できます。ほとんどの人が使っているExcelをテーマにした業務改善・効率化の方法を学ぶため、プログラミング経験のない方にもイメージしやすいです。
→初心者でもExcel業務の自動化イメージが付きやすい、2日間研修はこちら
プログラミング言語で業務を自動化するイメージがつけば、2029年に入社する新人ともスムーズに話ができます。さらに、新人のデジタルスキルも活用できるようになります。
新人が「自身の能力を活かせる」「活躍できる」と思う環境を提供できれば、新人の離職原因を1つ減らすことができます。
Python学院~Excel操作自動化編(1日間)
Pythonの基礎、またビジネス現場ですぐに活用できる「Excel操作の自動化」を中心とした便利な技術・テクニックを、1日間で学べるコースとなっております。
「プログラミングとは」「Pythonとは」「アルゴリズムとは」という初歩的なところからレクチャーをいたしますので、プログラミング未経験者でも安心してご受講いただくことが可能です。
Pythonをより早く習得するためには、学んだことを活かして、自分の頭で考えてプログラムを作成する「アウトプット」が何より重要です。
本研修では、適宜演習問題に取り組んでいただくワークをご用意しております。
ビジネス現場で活用するためのPythonのスキルを学んだ後、学んだことを具体的にどのようにビジネス現場で活用するかを考える時間もご用意しており、「学んで終わり」ではなく「具体的なアクションプラン」まで考えられる研修となっております。
よくあるお悩み・ニーズ
- Pythonを業務で使いたいが、プログラミングの経験がなく何から始めればよいかわからない
- 日々、Excelの業務に1時間以上かかっており、効率化したい
- Pythonを習得し、社内のDX化・業務改善を推進していきたい
本研修の目標
- Pythonを用いてExcel操作の自動化ができる
- Python・プログラミングの基礎を理解できている
- Pythonをビジネス現場で活用するための具体的な計画を立案できる
「1日の研修では身につく自信がない、もっとゆっくりPythonについて学びたい」という方には、さらに深く学べる2日間の研修をおすすめします。
この研修は、「Pythonの基礎」から「Pythonを活用したExcel操作自動化」までを2日間で学習できるコースとなっており、プログラミングの最初の学習に適しています。
「プログラミングの経験がなく、Pythonを基礎からしっかりと学習したい」
「プログラミングに苦手意識があり、研修内容についていけるか不安」
という方には、特に本研修へのご受講をおすすめしております。
また、本研修ではPythonの操作のみではなく、「Pythonを自社のどのような業務に適用するか」という点で参加者同士の意見交換ワークを行います。そのため、「自分の思いつかなかったPython活用方法」を、研修を通して学ぶことができます。
セットでおすすめの研修・サービス
Python学院~スクレイピング編/Webからの情報収集を自動化する(1日間)
Pythonの基礎、またビジネス現場ですぐに活用できる「スクレイピング」を中心とした便利な技術・テクニックを、1日間で学べるコースとなっております。
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ビジネス現場で活用するためのPythonのスキルを学んだ後、学んだことを具体的にどのようにビジネス現場で活用するかを考える時間もご用意しており、「学んで終わり」ではなく「具体的なアクションプラン」まで考えられる研修となっております。
操作画面を見ながら学べるPython~Excel操作自動化講座(冊子教材付き)
Pythonの基本文法に加えて、ビジネス現場ですぐに活用できる「Excel操作の自動化」を中心とした便利な技術・テクニックを、自分のペースで学習することができる動画教材となっています。
(半日研修)DXリテラシー向上研修
組織のDXを実現するために、DXリテラシーをいかに組織に浸透させるかを学ぶ研修です。経済産業省が策定した「DXリテラシー標準※」をかみ砕いてDX推進に最低限必要な知識とマインドをお伝えします。
組織のDXリテラシーを向上させるためには、ステップを考えて推進する必要があります。本研修ではまず、組織のDXリテラシーを向上させていくステップについて学びます。その後、経済産業省の定めている知識や技術の中でも、特に重要な部分を抜粋してご紹介します。
※DXリテラシーとは、「DXを正しく理解し、知識を活用する力」のことです。経済産業省では、「働き手一人ひとりがDXリテラシーを身につけることで、DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになること」をねらいとした標準が策定されています。
参考:経済産業省「DXリテラシー標準ver.1.0」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/DX_Literacy_standard_ver1.pdf(最終アクセス2025/3/25)