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ティーチングからコーチングへ移行するタイミング~成長段階と、仕事に関する能力のピラミッド

部下指導の2つの方法

日々の業務で、「どうすれば部下が自ら動いてくれるのか」と頭を悩ませる方は多いでしょう。ポイントは、部下の成長段階に合わせた指導方法の移行にあります。 部下指導の方法として、ティーチングとコーチングの2つが知られています。

ティーチングとは、部下が業務を実施するために必要な能力(知識・スキル)を習得させるために指導することです。一方のコーチングとは、部下の意識に働きかけて、主体性を発揮できる自立した人材に育成するために支援することです。

ティーチングからコーチングへ移行するタイミング

ティーチングとコーチングは、部下の能力(知識・スキル)の習熟度に応じて、活用比率を移行していくと効果的です。

まず、業務の習熟度が低い段階(新人など)では、ティーチングで知識や技能を教えます。その段階が過ぎて、実践の中での課題解決力を高めていく段階になったら、教え込むティーチングから、引き出すコーチングへと徐々に移行していきます。

部下の習熟度をきちんと把握しながら、業務の中で「どこまで答えを示すか」「どこまで見守るか」の線引きを変化させる必要があります。ティーチング・コーチング共に不要となった(習熟しきった)部下については、権限移譲を行い自走させるという段階に入ります。

主体性を発揮するには、知識やスキルなどの下地が必要

ゲイリー・ハメル、ミケーレ・ザニーニは、著書で「仕事に関する能力のピラミッド」を提唱しています。仕事に必要とされる6つの能力を段階別に並べたもので、ピラミッドの下位ほど基本的な能力です。

仕事に関する能力のピラミッド

  • 勇敢さ...優れた目的のために進んでリスクを取る
  • クリエイティビティ...問題を捉え、新たな解決策を出す
  • 主体性...自ら動き、積極的に組織に貢献する
  • 専門性...仕事で成果を上げるために必要な知識やスキルを持つ
  • 勤勉さ...一生懸命に働き、結果に責任を持てる
  • 従順さ...安全管理・金銭の扱い・顧客対応など基本のルールに従う

出所:ゲイリー・ハメル、ミケーレ・ザニーニ著、東方雅美訳
『ヒューマノクラシー 「人」が中心の組織をつくる』英知出版、2023年、P55

仕事で主体性を発揮するには、まず専門性(仕事で成果を上げるために必要な知識やスキル)を十分に発揮できる下地が必要です。従順さや勤勉さ、専門性といった基本的な能力を持たせるには、ティーチングが適しています。

一方、主体性やクリエイティビティといった上位の能力を発揮するには、下地となる能力に加えて情熱が必要となります。コーチングによる支援は、部下の意識に働きかけるため、こうした段階の部下に適しています。

実践演習で教える力と導く力を磨く2日間

ティーチングとコーチングを実務で的確に使い分けるには、体系的な理解だけでなく、実践的なトレーニングが欠かせません。単なる知識の習得にとどまらず、相手の状況や目的に応じて柔軟にアプローチを切り替える力が求められます。

このため、しっかりと身につけるためには2日間程度の学習機会を設けることを推奨しています。まずはティーチングとコーチングそれぞれの理論や役割、適用場面の違いを整理しそれを踏まえた実践演習を行う必要があります。リアルなケーススタディを通じて、現場での応用力を高めていきます。

特に部下指導などのコミュニケーションスキルの研修では、「わかったつもり」で終わってしまうことが多くあります。実際に人と話しながら「失敗」する体験なども経て、初めてその効果を発揮できるといえます。

ティーチング・コーチング実践研修(2日間)

ティーチング・コーチング実践研修では、2日間かけてティーチング・コーチングそれぞれのスキルを学びます。業務指導やOJTの基本となる「ティーチング」と部下・後輩の主体性発揮を促し育成する「コーチング」、2つの指導スキルを学ぶ研修です。それぞれケーススタディやロールプレイングなどのワークに取り組み、実践的にスキルを身につけます。2つの違いを踏まえて部下・後輩の指導に活用し、相手にあわせた成長の支援を考えます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • ティーチングとコーチングの使い分けを知りたい
  • 業務指導における効果的な指示の仕方や指導方法がわからない
  • 自立した部下・後輩を育成するためのコーチングスキルを身につけたい

本研修の目標

  • ティーチングとコーチングの違いを理解する
  • ティーチングの基本フローを学び、部下・後輩が動きやすい指導ができる
  • コーチングの3つのコアスキル(傾聴・質問・承認)を育成に活用できるようになる

>公開講座の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

1年でOJTノウハウを蓄積し、育成の風土をつくるプラン~2階層向け

1年間でOJT担当者に3回、その上司(管理者)に1回の研修を行うプランです。OJT担当者だけでなく上司への教育も行うことで、職場全体で新入社員を育成する風土を醸成します。

新入社員が入社する前の3月に、管理職とOJT担当者に新入社員を迎え入れる心構えと指導方法を習得いただきます。その後、9月にフォローアップ研修とし、日々のOJTにおける悩み解消と指導スキルの向上を図ります。そして、翌年の3月にOJTを通して培った指導スキルのノウハウを集結させるワークショップを実施いたします。1年間の振り返りを行うとともに、次年度のOJT担当者へそのノウハウを引き継ぎます。

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ティーチング研修~適切な業務指導の進め方(冊子教材・テスト付き)

本動画では、ティーチングの基本フローを習得します。

部下や後輩が動きやすい指導を行うために、大切な「やってみせる」「やらせてみる」「フィードバック」というティーチングの基本フローを、講師が分かりやすく解説します。

>動画教材の詳細はこちら

コーチング研修~部下の主体性を引き出すスキルを習得する(冊子教材・テスト付き)

本動画では、コーチングの前提となる考え方や効果など基本的な知識から、実践的なコミュニケーションの取り方まで幅広く学びます。

コーチングのコアスキルである「傾聴」「質問」「承認」の3つの手法を学び、部下の能力・やる気・強みを引き出すコミュニケーションスキルの習得を目指します。

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