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「ラポール(Rapport)」とは、フランス語で「橋をかける」

「ラポール(Rapport)」とは、フランス語で「橋をかける」という意味の言葉で、もともとはカウンセリングにおける臨床心理学用語です。セラピストとクライエントとの間での、警戒心を解きリラックスした状態を意味します。

仕事におけるコミュニケーションを機能させるためには、相手の言いたいことを理解し、自分の話を分かりやすく伝える「情報伝達スキル」が欠かせません。しかし、その情報伝達スキルが機能するためには、相手との間に信頼関係、ラポールが築かれていることが大前提となります。ラポールが成立していれば、職場や営業の場においても人とストレスなく過ごせ、仕事の成果につなげていくことが可能です。

ラポール構築の基本

ラポール構築にあたって、取るべき基本姿勢は次の通りです。
・ありのままの自分であること (自己肯定)
・無条件に相手を受け入れること (他者肯定)
・相手の気持ちと同化すること (理解)

これらの姿勢でコミュニケーションを取ることをまずは心がけましょう。加えて、4つのテクニックを身につけることによって、より効果的にラポールの構築が可能になります。
① ミラーリング:相手の動きや姿勢を自然にまねて警戒心をとく。
② ペーシング:相手の話す速さ、リズム、トーンに合わせて、安心感をあたえる。
③ バックトラッキング:話を受け止めていることを、「繰り返し」で伝える。
④ キャリブレーション:相手が無意識に発するサインを識別する。

ラポールがあるコミュニケーションは、対外的な営業シーンではもちろん、ステークホルダーや異業種間の関係の向上にも有効です。ラポールが成立すれば、立場を超えた人間同士の良い信頼関係が築け、コミュニケーションがスムーズにできます。職場内のメンタルヘルス対策や新人育成の環境づくりなどにも活かすことができます。不安や緊張の多い社会情勢であるからこそ、人間関係は充分にリラックスして働けるよう、職場への導入をおすすめします。

ラポールの形成を正しく行うための注意点

お客様などとラポールを形成する上で、気をつける必要がありますのでご紹介します。ラポールを形成するための最初にコミュニケーションを行う際、「でも」や「けれども」「しかし」など相手の言葉を否定するような言葉は絶対に避ける必要があります。誰だって自分のことを否定するような相手とラポールを築くことは、間違いなく難しいでしょう。また、ラポールが形成される前に、自分の伝えたい要件だけを伝えはじめたり、ビジネスの本題にすぐ入るような行動も避けましょう。

ミラーリングを活用する場合には、自分のことをいかにも真似していると相手が感じるような不自然さはラポールは築けずマイナスになります。あくまで人と、人とのコミュニケーションですから、やり過ぎず、自然に相手を真似る程度にしないと、逆に相手に警戒されてしまいラポールが形成できなくなります。

ラポールの形成とミラーリングについて、手法や注意点を正しく理解して実行すれば、人事であれば社員とのコミュニケーションにも有効ですし、求職者との採用のシーンや、お客様との関係構築などにプラスに働きます。難しいコミュニケーションではないので、営業の若手向け社員研修(社内)などで実践して、全社の社員に役立ててもらうのも良いでしょう。

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