■お悩み相談
~自分を捨ててでも案件をとるために食い下がるべきなのですか?
私は気が弱く、最後のひと押しができなくて契約のチャンスを逃してしまいます。先日も、お客様のところに出向いた際に、追加受注のチャンスがあったにも関わらず、先方に「結構です」と、ひとこと言われただけで萎縮していまい、二の句が継げませんでした。上司には「商魂が足りない!」と言われます。でも、断られてしまったら何も言えなくなってしまいます。
(気弱な営業担当者)
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☆コミュニケーションのコツ
断られたら、当然、切り返す。
しかし、だめなら、きれいに負ける
そしてフォローを継続して、次のチャンスを待つ
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【ノウハウ解説】
■営業活動の基本は「お断り」への対処です。
お客様は「なんとなく嫌」とか「先に会った営業マンの方が好き」「もう先に決めた会社があるから」「なんとなく、怪しそう」などを
理由として、お客様は断ってきます。
しかし、お断りの理由は希薄な場合が多々あるのです。そんな時は、自社とライバルを、一つ一つ比較してもらうと
説得しやすくなります。
そうすると、自社のメリットが見えてきて、逆転の可能性も高まります。
■負けているポイントが明確な場合には自社に持ち帰る
その場で判断するのではなく、可能であれば、お客様に時間を頂戴して、会社の先輩や上司に知恵や力を借りて、
逆転する方法もあります。特に「価格」など、負けている点が明確な場合には、上司の判断を仰ぎます。場合によっては、好条件が出せる場合があります。
■きれいに負け、継続フォローの中で成果を出す方法もある
私自身、「お断り」後、ねばって切り返すことを、実際はあまりやりません。
その理由は、
1.交渉コスト(時間、労力)が多大にかかること、
2.場合によっては大幅値引きなどを要求され、結果的に粗利が
低くなることが往々にしてあるからです。
3.また、激しくアタックしすぎて、お客様の心象を悪くし、
二度とお取引いただけなくなることも不安です。
■セールスは「長期戦」を覚悟する
~実はお客様は「お断り」に痛みを感じています。
それよりむしろ、「お断り」の後、長期的にアプローチし続けて、最終的にお取引を頂くのが得だと考えています。
ですから、不利な場合には、「きれいに」負け、人間関係が継続するようにしておきます。
「お断り」については、お客様も実は「痛み」を感じています。また、後味の悪さを感じています。「もっと予算があれば、買ってあげるのに」「上司が反対しなければ、買ってあげたのに」と思ってくれています。ですから、お断りの後は、こちらが努めて明るく、継続的に「その後、いかがでしょうか?」とのフォローを欠かさないようにして、次のチャンスを待つのです。
フォローを欠かさなければ、一定の時間の中で、新しいチャンスは必ず現れてきます。そして、必ず売れていくものです。
■「長期戦」は苦しくない営業の基本戦略です!
実際、私のお客様には、数年前にご提案した時には断られた方が非常にたくさんいらっしゃいます。
お客様は断った後もじっと営業担当者を観察してくれています。「またアプローチしてきたら買ってあげよう」と考えているお客様が実に多いのです。私は、「長期戦」をセールスの基本にしています。「お客様の気持ちと事情は変わる」と肝に銘じて、電話などで継続フォローを欠かさないようにすれば、「にこにこしながら」お客様は待ってくれています。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方