2024年11月27日
女性用下着やシャワーヘッドなどを手がけるシャルレ<9885>が、新規事業開発にM&Aなどを活用する方針を打ち出した。
2024年10月29日に公表した2035年3月期をゴールとした長期ビジョン「Charle Group Vision 2035」で明らかにした。
同社は売り上げの90%ほどを女性用下着販売のシャルレ事業が占めているが、この他にも子会社(2020年に買収)が手がけるファインバブルを用いたシャワーヘッドをはじめ化粧品や、健康食品などの事業を展開している。
女性用下着市場は横ばいの状況にあり、シャルレでも同事業の大きな伸びは見込めないと見ており、企業成長には新規分野への参入が不可欠と判断した。
「Charle Group Vision 2035」によると、2027年3月期までは成長分野の探索に取り組み、その後、2030年3月期までに新規事業の成長を加速させ、2035年3月期には新規事業による収益を一気に拡大する計画だ。
シャワーヘッド、化粧品、健康食品に続くのはどのようなビジネスだろうか。
シャルレは2025年に創業50周年を迎える。さらにそれからの10年後のあるべき姿を長期ビジョン「Charle Group Vision 2035」としてまとめた。
それによると、この10年間を第二創業による業績回復の期間と位置づけ、中核事業であるシャルレ事業の構造改革に取り組み、訪問販売の強みと通信販売の利便性を両立させた独自のBtoC型ビジネスモデルを作り上げるとしている。ただ、それでも売り上げ規模は拡大せず、ほぼ横ばいで推移すると予測する。
このため企業の成長を目指すために、新たな事業分野に乗り出すことにしたもので、新事業を取り込むための手法として、M&Aをはじめ提携や出資などを積極化させることにした。
正確な数字は公表していないが、グラフでは主力のシャルレ事業を上回る売り上げ規模を見込んでおり、こうした取り組みで最終年の2035年3月期に売上高204億円を目指すとしている。
この長期ビジョンの前半5年間を対象期間とする中期経営計画(2025年3月期~2029年3月期)では、シャルレ事業の構造改革による若年層顧客の拡大や、顧客データの利活用による新規事業の開発に取り組み、そのうえで、新しい成長事業を探索しM&Aなどの可能性を探る計画だ。
この5年間については、配当性向70%程度、または1株当たり年間8円配当を下限と定めた株主還元を実施するとしている。
シャルレ事業以外の事業についてはシャワーヘッドを主力とする「ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業」では、シャワーヘッド市場の競争が激しく、商品構成のあり方や営業体制の強化、新たな主力製品の開発が必要という。
また化粧品や、健康食品では、新製品の投入や販促キャンペーンなどを実施しているが、経営を支える柱には育っていない。
同社の2024年3月期の売上高は131億6800万円(前年度比0.6%減)で、2期連続の減少となった。営業利益は5億5700万円(同2.22倍)で増加に転じたが、2025年3月期は再び減益(92.8%減)を見込む。
2025年3月期の売上高は、シャルレ事業での販売員の高齢化による活動鈍化や稼働人数の低下、シャワーヘッド市場の競争激化などによって、3期連続の減収が避けられない見込み。
M&Aなどを活用した新規事業の開発は急務のようだ。
2025/3は予想、2035/3は計画、2035/3は売上高のみ公表
配信元:M&A Online
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