《第2回》初めての営業で感じた難しさと、小さな成功
インソース講師・福島晴夫氏インタビュー【2】
《第2回》初めての営業で感じた難しさと、小さな成功
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新しい会社で知った営業の難しさ
慌ただしいなかではありましたが、そのようにして会社生活が始まりました。ところが、会社に行ったところ言われたのが、「はじめは講師をやってくれ」ということでした。警察出身というキャラクターが面白いというのがその理由だそうです。
しかしいきなり講師といわれても、社員研修のことが何もわからないので、まずは営業でもしながらいろいろ学ばせてくれないかとお願いしました。それで「3ヶ月間、営業をやって、その間に勉強しろ」ということになり、1週間ぐらい社内でOJTを受けた後、「どこでもいいから行って来い」と言われ、営業として活動を始めたわけです。
「どこでもいい」といわれたので、まず新宿西口のビル街で飛び込みセールスをかけることになりました。しかし行くには行くのですが、玄関に入って受付の人が立ち上がると、それだけでドキドキしてしまって、逃げてしまいました。
受付を突破するまでそんなことを繰り返しては、喫茶店に入って頭を抱えるということをしていました。その後は電話をしてもほとんどアポがとれず、手帳のメモも、何月何日何時、何々会社、誰々さん、出張中、会議中、というところまでで止まっていました。
1週間ほど経ったころでしょうか。部長から調子を聞かれ、「日本の会社は忙しいですね。毎日会議してるか出張してるかで、誰もいません」と答えました。すると部長は「本当に会議とか、出張してると思ってるのか?」と。 私は「そう言ってるからそうなんでしょう」と答えたんです。それが断り文句だと気付くのに1週間かかりました。
初受注で感じた手ごたえ
そのまま3ヶ月ほど、何の成果もなく営業活動を続けていましたが、新宿西口にはもう行くところがなくなり、小さな会社の雑居ビルが立ち並ぶ東口方面を回っていました。
ある日、ある婦人服チェーンの部長に公開セミナーの紹介をしたところ、「まず自分が出てみて、内容がよかったらうちの店長を全員出す」と、試しに8万円ぐらいの注文をいただいたのが受注第1号です。その後、近くの4、5社で徐々に売れ始めました。
その時、何とかこの業界で生きていけるかもしれないと、はじめて手ごたえを感じました。先輩は12、3人いましたが、この業界の10年20年選手ばかりでした。しかし、入社した日に「必ず3年以内にトップセールスマンになります」と宣言した手前、何とかしないといけないと思っていました。
そうこうしているうちに、講師が足りないということで、年が明けたら講師の方へ移らないかという話が出てきました。
(つづく)