【インソース講師・福島晴夫氏インタビュー】
インソース講師・福島晴夫氏インタビュー 【3】
★経験を知識で埋める★
営業が面白くなってきた矢先、「講師として仕事をしないか」というお話をいただきましたが、ちょうど、営業が楽しくなってきていた頃でもあり、もともと3年は営業をやろうと考えていたので、結局そのまま営業を続けることになりました。
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しかし、少し軌道に乗っていたとはいえ、営業で、まだまだ10年選手の先輩方を追い抜くことはできません。
もちろん体力には自信がありますし、飛び込みは苦になりませんが、それだけでは先輩方の経験で培った商品知識にはかないません。
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そこで、考えたのが、経験で足りない分を、知識で補うという戦略です。
私は新宿の本屋さんのビジネスコーナーで、月最低でも10冊は立ち読みをしました。1年くらいで200冊程のマネジメント、セールス、マーケティングなどの類の本を読み漁りました。
本を読んでいるうちに、最初は何が書いてあるのかさっぱり分からない状況から、徐々に、ぱっと見ただけでよい本かどうかわかるようになり、
読書に費やす時間も次第に短縮されてきました。
知識を積み重ねることによって、本来だったら何年もかかるところを、数ヶ月でやってのけた、というわけです。
★ヒアリングスキルの大切さを知る★
次に自分の中で変化が訪れたのは、入社して3年目です。それまでは、自社の商品の魅力や利点をプレゼンテーションするような営業ばかりしていたのですが、そのスタイルを大きく変えざるを得ない出来事がありました。
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それは栃木にある中小企業を訪問したときのことです。当時はすでにかなりの業績を上げていたので、自分のセールストークに自信を持っていたのですが、その栃木県の中小企業の社長は頑固そうで、訪問したものの、私の話は聞いてもらえず、社長さんの創業以来の話をひたすら聞かされました。
今日はもうだめだと思って、聞き役に徹していたのですが、社長の話を1時間ほど聞いて、そろそろ失礼するという頃、突然、「今日の話を提案書としてまとめて、幹部向け研修を企画してくれ」と言われました。できるだけ早くと言われたので、その通りにしたところ、すぐに受注となりました。
一言も発していないにも関わらず、社長は、「君のような話上手なセールスには初めて会った」と言うんです。
始めは不思議で仕方なかったのですが、よく考えてみると、もしかすると、セールスというのは、「話すことではなくて、聞くことなのではないか」、と思い至りました。
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話すのは自分の考えを話すということで、相手を説得することになります。というのは、説得、説得じゃないですか。
逆に聞くというのは、相手の考えを探ることなので、相手の問題やニーズは聞く方が出てきやすい。それを分析して、自社の商品でソリューションで提案するようにしました。
それまでは、研修のお試しとして、とりあえず公開セミナーの受講からお勧めしていたのですが、そこからはまず会社でどのような問題があるのかを ヒアリングして、それを解決する方法を考えていくようになりました。
そうすると、会社の問題の全てを対象にするので、総合的なコンサルティングになるわけです。
新人から部長クラスまで、それぞれの抱える問題に対応していくわけですが、こちらの提案はそれを解決するためのものですから、単発の提案ではなく、大きなビジョンや戦略を見据えたものになります。
そして、この戦略を浸透させるために、部長クラスにはこうした研修が必要です。課長にはこういう研修が必要です。営業担当者には・・・・というように 案件そのものがどんどん大掛かりになっていきました。
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受注案件の規模が今まで100万円ぐらいだったのが、時には1000万円ぐらいの提案書を持っていくという具合になり 規模が違ってきました。
「受注金額は、件数が減っても、上がっていく」これが1つのターニングポイントでした。聞くセールスに営業手法を変えて、ついに、会社で2番目の営業マンになりました。
(つづく)
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「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方