「はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る」石川啄木は100年以上前に、このような歌を詠みました。働くことの大変さと、生活とのバランスのとり方は、いつの時代の人間にとっても変わらぬ課題であるでしょう。加えて近年の日本では少子高齢化が進み、人口減少によって働く人それぞれの負担が大きくなっています。ワーク・ライフ・バランスを実現するには、ますます厳しい社会を迎えようとしているのです。すなわち現代とは、働く一人ひとりが自らの働き方を見直して「限られた時間の中で、最大の成果をあげる人」になることが最も求められる時代であり、「労働生産性の向上」はビジネスパーソンにとって喫緊の課題として現出しているのです。
生産性を向上させる、と一言で表すのは簡単です。具体的に何をすれば生産性向上につながるのか、その方法を学ばなければ、「頑張る」という精神論で終わってしまいます。
具体的な生産性向上の方法とは、「効率がよい仕事術」です。組織における立場によって、習得すべきスキルは異なります。組織で働く個人、プレーヤーの立場であれば、「一定の時間内で高い成果をあげる技術・知識の獲得」が求められています。PDCAサイクルの活用方法や、自分の仕事のムリ・ムダ・ムラをなくす分析方法、自分の仕事の流れを書き出して業務状況の把握・問題点の洗い出しを行う方法などを学ぶことが適切でしょう。マネージャー・リーダーの立場であれば、「限られた資源で最大限の成果をあげること」が求められます。そのためには、不要な業務を廃止するための見直し方法や、数値化や工程分析によって業務を「見える化」する管理方法などを学ぶことが大切です。
働き方改革に加えて展開することを政府が検討している「生産性向上と人づくり」改革では、製造業の有する生産性向上ノウハウをサービス業や地方の中小零細企業にも活用するとされています。ブルーカラー・ホワイトカラーといった職種の垣根を超え、生産性向上という課題に取り組むことが、これからの世の中では期待されています。
生産性向上への取り組みが成功することによって、組織には多大な利益と、事業規模の成長がもたらされます。そして恩恵は組織にとどまらず、個人も多くの得るものがあります。高い成果を出すことによる報酬アップ・昇格のチャンス拡大、適切な時間管理によるワーク・ライフ・バランスの実現など、仕事面・生活面、それぞれでプラスがあるのです。 仕事の大変さを嘆くだけではなく、業務改善のために一歩でも多く歩を進めた先に、輝く明日が待っています。生産性向上、さっそく今日から取り組んでみませんか。
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研修担当者の虎の巻
「そもそも研修ってどういうもの」「担当になったら何からやるの」など、研修ご担当者になったらまずは読んでいただきたい内容をまとめてご紹介しています。
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