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「会社の数字や財務など、非常に難しくてよく分からない」と思い込んでいる方は意外といらっしゃいます。
しかしながら、経理、財務部門に属する以外の方が押さえておけば良い数字は、それほど多くありません。細かい勘定科目や会計ルールに捉われず、大枠だけを押さえておけば十分です。お客さまが「財務研修を受けたい」とおっしゃる場合においても、売上・費用(コスト)・利益という、予算に必要な数字だけを押さえたいというケースがほとんどです。
数字はお金の「入」と「出」のバランスでしかなく、売上が「入」、費用が「出」、残ったものが「利益」ということになります(損益計算書)。貸借対照表で言えば、調達(負債・純資産)が「入」、資産が「出」ということです。お金の「入」と「出」のバランスから、損益計算書、貸借対照表に分かれていくプロセスを理解しておけば、何も難しいことはありません。
“売上-費用(コスト)=利益の構図”を大まかに押さえ、段階的に出てくる「売上総利益(粗利益)」「営業利益」「経常利益」の意味と計算方法を覚えるだけで十分です。
経営とは「売上を高く、費用(コスト)を低く」することでしかありません。大切なのは、どうやって売上を増やすのか、どうやって費用(コスト)を下げるのかを考え、具体的なアクションを起こすことです。評論にとどまらず、数字に基づいた課題を抽出し、その原因を分析し、具体的な対策を考え、実行に移すことが重要です。
例えば、“売上が100、コストが90、利益が10”の決算について、“利益を20にする”ことを考えます。“売上を110に伸ばすのか、コストを80に減らす”のか、“売上を105、コストを85にする”のか、どのように達成するのかを具体的に考え、実行に移すことです。
つまり、細かい財務会計の専門知識を覚えるよりも、大まかな数字の全体像を捉えることに主眼を置いた数字の見方の習得に努めていただければ大丈夫です。