質問に答えない学生は、案外多い
人事採用担当として、多いときは半年間で約2千人の学生さんと面接を
した経験から申し上げると、最も多かったのが「素直に質問に答えない」
学生でした。
彼らとの会話の一例をご紹介します。
(例1)
面接官:「学生時代に最も力を入れたことを教えてください」
就活生:「演劇部に所属していました。
人に感動を与えるのがモットーです」
(例2)
面接官:「それでは、簡単に自己PRをお願いします」
就活生:「テニスサークルでキャプテンをしていました」
(例3)
面接官:「うちの会社を受けようと思ったのは、なぜですか?」
就活生:「接客アルバイトの経験から、
営業に向いていると思いました」
どうでしょうか。周りと会話をしていて、思い当たる節はありませんか?
■会話として噛み合っていない
結論から言うと、この3つは会話として噛み合っていません。
(例1)で私が聞きたいのは、読んで字のごとく「学生時代に何に力を
入れたか」であって、「何部に所属していたか」でも「何がモットーか」でも
ありません。この場合の回答はシンプルに「演劇です」と言えば十分なのです。
なぜならば「演劇です」という回答があれば、次に「なぜ、演劇に力を
注いだのですか?」という質問ができるからです。
同様に(例2)では、自己PRをお願いしているのに、所属や役割を答えて
います。
(例3)では、企業への志望動機ではなく、営業という職種への就業動機
を回答してしまっています。
これは英語で言えば、5W1Hの質問に対して、Yes/Noで答えるのと
似ています。面接官として「・・・そんなこと聞いてないのにな」と思うこ
ともしばしば。
「まさか、そんな受け答えはしないだろう」「自分は大丈夫だろう」と感じ
る方もいるかもしれませんが、これが案外やってしまうものなのです。
では、なぜ、こういうズレが起きるのでしょうか。
次回、私が考える2つの原因について、お伝えいたします。
☆来週もお楽しみに!