ビジネスコミュニケーションにおける「やりすぎ」とは、何を伝えるにしても、常に「相手をよい気持ちにさせる」ことです。よってコミュニケーションをとる相手のタイプ、状況によって、注意すべきポイントも変えていかなければいけません。
【大前提】
対お客様:常に相手をたてて恥をかかせない/指摘しない
対上司:何を言われてもムッとせず素直に受け止める
対同僚:後輩:公私混同をしない
このシリーズでは、いろいろなシーン別に、レベルに合わせた動き方をお教えいたします。自分がどこまでできているか確認してみてください。自分は周りよりがんばる必要があると思う人は、周りより気をつけるべきことも多いものです。
レベル1:ビジネスパーソンとして気をつけるべき事項(当たり前)
レベル2:普通より頑張る必要があると思う人が気をつけるべき事項
海外のマスコミは大震災に直面した日本の被災者に対して、被災者の忍耐強さと秩序立った様子に驚きと称賛の声をあげています。その一方で、被災者以外の周囲の人々の「人の不幸を省みない」言動や行動が糾弾される場面が多く見受けられることも否めません。
このような非常事態時こそ、人間の本質があらわになると言えます。改めて自分自身の立場を見直し、お客様は何にお困りなのか、自分達に何が求められているのか、そして自分達はお客様のためにどんな貢献できるか、というスタンスで物事を考えることが大切です。
お客様と接する機会の多い皆様にとって、最も大切なのは、「お客様の心情を理解した応対」をすることです。それでは、どのようにすれば「お客様の心情を理解した応対」ができるのでしょうか。具体的には、次の4つの方法をおすすめいたします。
1.プラスアルファ(+α)の声かけを行う
2.お客様のご事情を全身で心をこめて聴く
3.解決策を共に考える
4.いくら調べても、考えても解決策がない場合は心を込めてお伝えする
以下に、それぞれの内容を見ていきます。
現在、お客様対応時、「地震の影響により、××(商品・サービス)の取り扱いは行っておりません」というようなことが多くなってくると思われます。このとき、あえて「地震の影響により」だけでなく、次のような一言を添えてみましょう。
「ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません」、
「お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません」、
「せっかく当社の製品(サービス)をお使いいただきながら、誠に残念です」
事務的に対応するのではなく、お客様がお困りの事実に対し、お客様の心情を推し量って言葉をかける必要があります。「困っている」人がいたら同情するのはごく普通のことです。ましてや自社の商品・サービスを使っていただいているのであれば、なおさらです。ただ現実には、「地震が・・・」という理由の説明が先行してしまいがちです。現在の相手の立場に立って、共感することが重要です。
「いや、この商品は至急いるんだよ。娘が・・・」などとお客様が事情の説明をされる場合があると思います。このようなときは、お客様のご事情を全身で心をこめてきくことが大切です。お客様の話をきくとは、「態度」「表情」「声」を使って、お客様の「困っている」状況に対しての「共感」を全身で伝えることに他なりません。
例えば、先の例であれば、「さようでございますか。すぐお嬢様に必要なんですね。ご事情お察しいたします」とお伝えします。漢字の細かいニュアンスを表現すれば、これは「聞く」ではなく「聴く」です。事務的ではなく、心で聴きましょう。
お客様は「話して、事情を分かってもらいたい」のです。お客様対応をされる皆さんにとっては「よくあること」かもしれませんが、お客様にとっては「大きな」「大切な」「まれな」ことです。誠意を示すために遮らずに全身で聞きます。お客様の話を聞いている時間は長く感じられるものです。しかしお客様の話は、ほとんどの場合、3分以内に終わってしまいます。少し我慢して聞いてください。そうすると、両者の間に信頼関係が生まれます。
まず、よくご事情をお聞きし、対策を見つけるのがプロの務めです。様々な可能性を考え、上司、同僚などにも相談します。その際は、お客様のご要望をメモにまとめ、整理して相談します。
場合によっては、どうしても解決策がない場合もあると思います。そんなときは、「いろいろ検討いたしましたが、やはり対策がございません。大変お困りのところ、申し訳ございません。」と心を込めてお伝えします。決してお客様対応を「事務」のように「処理」してはいけません。
「お客様の心情を理解すること」。それには、サービス業の原点となる「CS」の考え方と、それを具現化したアクションや言葉の表現が必要となります。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方