月例賃金の引上げ額が8年ぶりに6000円を下回る

2022年2月18日

月例賃金の引上げ額が8年ぶりに6000円を下回る

2021年の月例賃金の引上げ額が2013年以来8年ぶりに6000円を下回ったことが、経団連の「昇給・ベースアップ実施状況調査結果」(2021年1~6月実施分)で明らかとなった。

2021年の月例賃金の引上げ額は5887円、引き上げ率は1.93%で、2013年以来8年ぶりに6000円・2%を下回った。

賃金決定にあたって主として考慮した要素(2つ回答)を聞くと、前年と同様、「企業業績」(63.8%) が最も多く、「世間相場」(36.2%)が続いた。

一方で、「人材確保・定着率の向上」が減少(24.1%、前年比マイナス2.9ポイント)し、「雇用の維持・安定」が増加(22.4%、同プラス5.6ポイント)するなど、若干の変化が見られた。

【賃金決定にあたって主として考慮した要素 トップ5】
1位 企業業績 63.8%
2位 世間相場(社会、業界、グループ関係企業等) 36.2%
3位 経済・景気の動向 25.4%
4位 人材確保・定着率の向上 24.1%
5位 雇用の維持・安定 22.4%

2014年から2019年まで「昇給・ベースアップともに実施」した企業は5割超で推移してきたが、2020年は39.2%、2021年は30.9%に減少した。

「昇給のみ実施」した企業は69.1%。2014年から8年連続で、すべての回答企業が定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給、ベースアップなどの何らかの方法により月例賃金の増額改定を実施している。

【2021年の月例賃金引き上げの実施状況】
昇給・ベアともに実施 30.9%(68社)
昇給実施(ベアなし) 69.1%(152社)
昇給・ベアともに実施せず 0.0%(0社)
月例賃金の引き下げ 0.0%(0社)

昇給・ベースアップの区別のある企業(220社)を対象に引き上げ状況をみると、2021年の月例賃金の引上げ額は6038円、引き上げ率は1.96%で、その内訳は、昇給が5672円(1.84%)、ベースアップが366円(0.12%)だった。

昇給は5000円台半ばから6000円台前半で推移する傾向に変わりはなく、ベア分は2年連続して1000円未満、0.1%台となった。

【月例賃金の引上げ状況の推移】
2017年 昇給引き上げ5880円(1.93%)、ベア引き上げ971円(0.32%)
2018年 同5623円(1.86%)、同1399円(0.46%)
2019年 同5984円(1.94%)、同1153円(0.37%)
2020年 同5663円(1.83%)、同511円(0.17%)
2021年 同5672円(1.84%)、同366円(0.12%)

調査は、2021年6月30日~8月31日、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業2059社を対象に実施し、461社を集計した。(製造業49.0%、非製造業51.0%、従業員500人以上73.8%)

配信元:日本人材ニュース

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