新任マネージャーとしてのスタートダッシュ
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課題:新しく責任者として着任した時はどうすれば良いか?
華のない私はリーダーには向いていないと思っていました。というのも、私には人を魅了するような華がありません。地味で目立たないタイプです。また、美術部出身で、鉄道模型が好きな典型的なオタク気質です。威厳もなく、大きな声も出せませんし、天才的な仕事力もありません。
そんな私が26才の時、SEとして開発チームをまとめる役割を得ました。メンバーの大半は年上で、経験は私が最も浅い状況です。それから数年、試行錯誤しながら、なんとかチームマネジメントを行いました。今回は、そんな経験も踏まえて「誰でも再現可能なチームマネジメント」方法について書いていきます。
一番熱心に働く
最初が肝心です。「チームで一番熱心に働いているのは私だ」というアピールが重要です。メンバーからの小さな尊敬を得るためには、まずは朝一番、最初にオフィスに来て、仕事をしている姿をメンバーに見せるのが一歩目です。早く出社するのは少し辛い事ですが、やせ我慢して、涼しい顔でいるのです。「あいつは我々にはできないことをやっている。頑張りは認めよう」と評価を得ることは、新任マネージャーの基本です。
小さなルールを一つ作り、メンバーに守ってもらう
続いて、まずは小さなルールを1つ作り、メンバーに厳守させるように仕向けることが最初の仕事です。新任マネージャーであっても、役職上、メンバーに指示をする権限は持っています。小さな権力を利用し、「チームミーティングにはどんなことがあっても時間厳守で参加する」といったルールを作ります。このルールを厳格に守らせるのが、最初の仕事です。
決められた時間に会議に参加するというルールを破ることは、幼稚園児でも明白に「良くない」と分かることです。よって、メンバーの1人が遅刻した場合は「皆が待っているのに遅刻するのは良くないね」と指導できます。するとそのメンバーは、皆の前で明白な理由により指導されたことで、次の会議は絶対に遅れるわけにはいかなくなります。こうした出来事から皆も新任マネージャーを上司と認め、指示を受ける姿勢ができていきます。
職場のあらゆる人とコミュニケーションをとる
着任したら、役職が上位のメンバーだけでなく、若手社員、パート社員さん、派遣社員さん、オフィスの清掃をお願いしている皆さんなど、仕事をする中で関わりのあるあらゆる人と話すことが重要です。リーダーは席にじっと座っているのではなく、1日1回は職場をぶらぶら歩きまわって、会話をすることが重要です。
顕在化していない業務上の課題の発見だけでなく、日常業務の中では見えてこないメンバーの人柄(例えば上司には良い顔をしているが、掃除をお願いしている人には横柄な態度をとっているなど)が分かるかもしれません。
メンバーの小さな悩みを解決してあげる~親切にする
人には必ず何か悩みがあります。特に若手や職位の低いメンバーは、自分では解決できない小さなことに日々悩んでいるものです。皆さんが簡単に解決できる内容なら、すぐ対応してあげます。また、たとえ解決できない場合でも、真剣に話を聞いてくれた、自分のために汗をかいてくれたということが、信頼感の醸成につながります。ただ、このようなご時世ですから、プライベートな話を無理やり聞き出すことは厳禁です。
小さな奇跡を起こす~部下の仕事を楽にして信頼を得る
面談や自分の気づきから、着任部署の仕事のやり方について、ちょっと非効率だなと思う点が多々あるかと思います。その中から、メンバーの仕事が少し楽になる、頑張れば3日程度で改善できる課題を選び、自ら改善します。私はこれを「小さな奇跡」を起こすと呼んでいます。
不遜ながら、神様と崇められるような存在は、本当に困っている人々に対し、親切心から奇跡を起こしたのだと私は考えています。世界中の宗教や文化に発展した根底には、その礎として「奇跡」があったのではないかと思っています。新任マネージャーが大きな奇跡を起こすことはできませんが、自ら汗をかき「小さな奇跡」を実現することで、「このリーダーに従っていけば大丈夫」というメンバーからの信頼を手に入れることができるでしょう。
最初はこのあたりからスタート
自らが熱心に働き、規律を作り、コミュニケーションルートを整備し、部下に親切にすると同時に、自らの能力を示すことができれば、新任マネージャーとしてのスタートはOKです。